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警句集 女と惡魔』 G.F.Monkshood 編著 安成二郎訳


【雜】

婦人の慈愛は、クリストが二三の麺麭と魚を以て群衆に食せしめたる奇蹟を日々繰返す-----ルグーエ゛
總ての男子のうち、アダムが一番幸福であった。彼には姑が無い-----パルフェー
女は二度死ぬ。生命を終る日と、歓楽を止める日と-----ワイズ
男は、女が彼と共に住むまで、如何にして生活すべきかを知らなかった-----メール
一人の母親は千人の父親よりも、もっと神厳である-----マヌの法典
彼女の思想をヨリ良く表現する為めに、婦人に沈黙が與へられてある-----デスノワイエ
女よ! 人類を擾亂する暴風を起すものは汝である-----ルソー
女の演説は犬が後足で歩くやうなものである。褒めた事では無いが、左に右く誰でも驚く-----ジョンソン
男子の憚るところ無き自負は婦人には全く解せられない。とは云へ、世間には男子のやうな、我儘な専横な多くの婦人がある-----アルヂェ
文明とは何ぞや? 余は婦人の力であると答へる-----エマーソン
紳士に對しては、總ゆる婦人は彼女の性の權利に於て貴婦人である-----リットン
男蕩しの女の心は薔薇のやうなものである。戀人は其の葉を摘んで、良人には刺のみを殘す-----(無名氏)
容貌に多く心遣ひをする婦人は、家庭に不注意なのが普通である-----ベン・ジョンソン
能く馬に乗る多くの婦人は柔和の點が無い。アマゾンが之を證する-----(無名氏)
惡い考が女を捉へた時、多くの悲惨が其の舌から流出する-----ユーリピデス
男が女の虚榮を非難するのは、自分で焚いた火に苦情を云ふものである-----レングレー
婦人の帝國は柔和と熟練と愛嬌の帝國である。その主権者は抱擁で、その惡魔は涙である-----ルソー
女が二人ゐると、だんだんお天氣が惡くなる-----シェークスピーヤ
地上に妻よりも善き唯一のものがある。それは母親である-----シェーフエル
私は、婦人が浪費と怠惰に走って、恰どく空中に發散するやうに、次第に地上から消え去る多くの實例を見る-----ワシントン・アーヴヰング
婦人の青春時を罪に與へ、老いの日を嘲笑に與へるものは虚榮である-----ソンザ夫人
婦人の社會は良き態度の元素である-----ゲーテ
恥辱が彼女の憎惡を煽動する時、女は最も殘忍である-----ヂュヴェナル
私は、ダイヤモンドの清い水の中に彼女の名誉を溺らせた多くの婦人を見る-----デート伯爵夫人
私は婦人が性格を有しないと確言はしない。寧ろ、彼等は日毎に新しい性格を有つ-----ハイネ
手管と虚偽は女の特色である-----エーシュグリユス
男蕩しの女は愛情を有しない、虚榮を有するばかりである。彼女の欲するものは崇拝者で、戀人では無い-----ポアンセロー
婦人の美名は鏡に譬へる事が出来る。光り輝いてゐる。しかし、それに呼吸の近づく毎に暗くなるものである-----セルワ゛ンテス
男は他人の秘密は自分のよりも保つが、女はまるで反對である。彼女は他人の秘密を云ひふらして自分のを秘す-----ラ・ブリュイエール
男蕩しの女は、狩獵が好きで獲物を食ふ事をしない獵師のやうなものである-----(無名氏)
生命は、男蕩しの女が其の總ての手管を行ひ盡すほど良いものでは無い-----アヂソン
顏を赧める事は、内氣の為めよりも、自愛を傷けた為めの方が多い-----ギルバート
最も少く語る婦人は最も良き婦人である-----シルレル
宗教無き女は、熱の無い火、色の無い虹、香の無い花と一様に惡い-----ミシェル
女は自分に媚びる虚言を一口に呑み下す。そして、苦い眞理は一滴づつ飲む-----ヂデロール
惡者め! 女の唇から愛する男に言ひかけられる此言葉は屡々天使を意味する-----(無名氏)
母親は記憶を恐れない、――其等の影は赤ん坊の微笑の曙に總て消え去る-----ジォーヂ・エリオット
神は愚人を作り、女はハイカラ男を作る-----(無名氏)
婦人は愛よりも憎惡に於て不變恒久である-----(無名氏)
女は男の日曜である-----ミシェル
嫉妬は、婦人とっては單に自尊心を傷くるばかりであるが、男子にとってはそれは道コ上の苦痛の如く深き、肉體の苦痛の如く間斷無き苦痛である-----フランス
愛か或は憎み、婦人は中庸を知らない-----サイラス
娘にとって最も善き避難所は其の母の翼である-----(無名氏)
不義の逸樂にある婦人は、藪の中にゐる蛇のやうなものである-----フイエー
最も幸福なる婦人は、最も幸福なる國民の如く、歴史を有しない-----ジォーヂ・エリオット
婦人と音樂は歳月を超越する-----ゴールド・スミス
年とった女を怒らせるのは、犬を怒らすよりも不利である-----メナンテル
女はその手套を變へるやうに、容易しく心を變へる可愛らしい動物である-----バルザック
女は、野蛮人の間に於ては荷を負ふ蓄類であり、亞細亞に於ては家具の一片であり、歐羅巴に於ては彼女はダゞッ兒である-----ドミエエオー
女を信用するものは愚人である。何故なら、彼等の言葉には死があり、彼等の微笑には地獄がある-----タッソー
婦人は、男子の装飾と幸福の為めに自然の手匣から取り出された最も價ある寳石である-----ギュィヤール
大概の女は、イヴが最初の果實を摘み取った老木を奪ふ事に彼等の日を過してゐる-----フイエー
一人の女を支配し得る男は一國を支配する事が出来る-----バルザック
社會の未来は母親の手中に在る。若しも世界が婦人のために失はれるならば、母親は獨りでそれを救ふ事が出来る-----ド・ポーフォル
女は特に、男の下、子供の上のものとして話しかけられる-----チェスターフヰールド
女は我等をしてパラダイスを失はしめた。しかしながら、我等は屡々彼等の腕のうちに再びそれを發見する-----フィノー
女と猫と鳥は、化粧に最も多くの時間を浪費する動物である-----ノヂェ
女が三十を過ぎた時、先づ彼等は自分の年齡を忘れる。四十に達した時、彼等はそれに就ての記憶を全く失ふ-----ド・レンクロス
婦人は人道の神經の部て、男子は筋肉である-----ハル
自分は女に於ける唯だ一事のみを信ずる――彼女は死んだ後二度と生きて来ないだろう-----(無名氏)
婦人は、森林中の植物の如く、彼等の柔和と優美を日陰から得て来る-----ランドア
溜息の朦朧たる霧が十九世紀に於ける女の孤獨から蒸發した-----アルジュ
總ゆる動物、人間から犬に至る間にあって、母の情は常に崇高である-----ヂュマ
女は忽ちにして林檎となり、又蛇となる-----ハイネ
女は貴族である-----ミシェル
私はアダムが彼の身體の總ての肋骨を墓の下へ持って行って呉れたら宜かったと思ふ-----ブーシコール
雌の毒蛇の毒液は、雄の毒蛇のそれよりもモット有毒である-----バトラー
男と言はずに男等と複數に言ひ、女等と言はずに女と單數に言へ。何故なら、此の世界は數千の男を有するが、女は唯一人である-----ワイズ
女の『イエス』と『ノー』の間に、私は一本の針を挿す冒險をしない-----セルワ゛ンテス
笑ふ事の無い女は、自然界に於ける最も大なる孔である-----サッカレー
若しも、泣くのが習慣で無かったなら、いかに多くの婦人が良人の葬式の日に笑ふ事であらう-----(無名氏)
地上、或は海中に於ける總ゆる野獣のうち、最も烈しい者は女である-----(無名氏)
だだっ兒のやうに、女が月に對して泣くのは、彼等が月には男が居ると聞いたからである-----ブラウン
星が空の詩であると同じ意味に於て、婦人は此の世界の詩である-----ハルグレーヴ
『皆んなが彼に就いて語ってゐる』と云ふのは頌詞である。しかし、『皆んなが彼女に就いて語ってゐる』といふのは挽歌である-----(無名氏)
地獄の道は女の舌で鋪かれてある-----アベ・ギュイヨン
十字架の傍に最後まで居り、最初に墓に居ったのは婦人であった-----イー・エス・バレット
婦人の柔弱は、男子のコを行はせる為めに自然が與へたものである-----ネッカー夫人
女が入って来るまで、パラダイスは幸福であった-----ギョワ゛ンヌ・グレッベ
私は、我等が新らしい天啓を見る事を信ずる。そして、其の救世主は女である-----ホルメス
女は男の罪である。彼女はエデンの園以来彼の犠牲である。彼女はその肉に罪の六千年の痕跡を負ふてゐる-----ペルタン
若しも自然が、流行が女の外觀を作るやうに彼女を創ったなら、女はもっと諦めがよかったらう-----ド・レビナッス嬢
婦人は造られたるもののうち最も幸福なるものである。我等の職務に對する報酬として、彼等は自分等に半分以上を殘した殘餘の幸福を以て我等に報ゆる-----ド・ワ゛ラン
當時の國民の最も賢き埃及の人民は、彼等の『智慧の精』を婦人の姿に與へた。そして彼女の手には、象徴として織機工の梭を持たしめた-----ラスキン
慈悲の住所である時の、婦人の心情より柔和なものは世界上に無い-----ルーテル
黙せる婦人の發見せられた不思議は何れの時代にも未だ無かった-----プローチュ
女は常に彼等の口、又は舌を持つ事に依って、目前の困難に或る慰藉を感ずるやうに、自然の手に造られてゐる-----ユーリピデス
女は海、又は陸の何れにも産しない或るものの一種類である。常に彼等と共にある彼が最も良く彼等を知ってゐる-----ユーリピデス
最も上流の社會に於ては、最も下層の社會に於けると同様に、婦人は單に快樂の器具である-----トルストイ
女は決して、男が愚人で無ければ、服從に依っての外彼を支配する事が出来ない-----ターキシュ・スパイ
女は女同志互ひに鋭く觀察し合ふ。そして、屡々我々は彼等の最も輕蔑する婦人を最も尊敬する-----バクストン
婦人は自ら快樂を味ふよりも、他人に快樂を與へる事をもっと喜ぶ-----ロシェペドル
女の舌は彼女の劔である。彼女は決してそれを錆びさせない-----ネッカー夫人
常に形よりも色を、論理よりも修辭を、哲理よりも方便を、實質よりも外觀を愛するのが婦人の例である-----(無名氏)
涙は女の力である-----サン・エウルモン
女の考は彼女の行為の前を走る-----シェークスピーヤ
婦人に注意を拂ふ平凡な男は、時に、注意をしない立派な男と同様に成功するだらう-----コルトン
元氣のよい婦人にとって、總ゆる艱苦のうち最も忍び難い事は、舌の自由を制する事である-----ヂュニュー
女は舌を以て誘惑するうるさい誘惑者である-----シェークスピーヤ
娘同志の友情の如く深切で快いものは無い。又、女同志の友情の如く烈しき不易のものは無い-----ランドア
汝に何物も與へない為めに、汝に總ての事の以外を為すために、戸が閉ぢられてゐる間に戀の入口で時を空費するのが、男蕩しの總ての科學である-----ド・バアナード
最も婦人を傷つけやうとするには、彼女の感情を狙へ-----ワレー
我々は單に、女は女らしくあるべきを要求する。それは拒絶さる可きもので無い-----リー・ハント
寡婦で居るといふは容易の事で無い。彼女は無識を装ふ事なしに、娘時代の總ての謹慎を取回さなければならぬ-----ド・ヂラルダン夫人
婦人の希望は光線のやうに織られてある。影がそれを滅ぼす-----ジォーヂ・エリオット
女は男のやうに遠方を見る事が出来ない。しかし速かに見る-----バックル
若しも、女が男をパラダイスから逐ひ出したものならば、それは女が男に為した中の最も善い事である-----シェルドン
女のみ獨り愛情の眞の忠實を知る-----シルレル
女は才能ある男の缺點と、愚かな男の功績を最初に見るに適して居る-----(無名氏)
世間には、愛する事を好む人よりも、愛される事を欲する人が多い-----チャンフォー
女の投げ捨てる物が三つある――時と、金と、健康と-----ジォフリン夫人
女は成長した子供である。誰でも玩具を以て喜ばせ、媚を以て酔はせ、約束を以て誘惑する-----ソフヰー・アーノルド
婦人の社會は、男子の道コを危險にし、態度を上品にする-----モンテスキュー
女と呼ばるゝ書籍を讀んだ者は、圖書館で青くなる程勉強した者よりも物を知ってゐる-----ホーセー
婦人に對する尊敬は、社會生活に於ける國民の進化の尺度である-----グレゴーリ
上手に、友誼的に婦人に忠告する手段を發見した者は無い――妻に對してさへも-----バルザック
女の怒は最も大なる惡魔である。それを以て誰でも敵を脅かす事が出来る-----シロン
婦人。彼等の愛は第一に詩人を感激させる。そして、彼等を稱揚するはその最も善き報酬である-----ホルメス
女は女より惡い敵を持たない-----ダクロス
母親の無言の柔しき祈りは、慈愛の王座に到る道を決して誤まらない-----ピーチャー
頭は常に心の術中に陥る-----ラ・ロシュフォコー
若し我々が一國の政治上及び道コ上の状態を知らうと欲するなら、我々は如何なる階級の婦人が其の状態を保持してゐるかを訊かなければならぬ。彼等の感化は全生活を抱擁する-----エミ・マルチン
婦人の心は石版師の石である。一度び書かれたものは拭き去る事が出来ない-----サッカレー
唯一の眞實にして堅固なる友情は男子と婦人の間に在る。何故なら、それは現實の、或は可能の競爭から免れしむる唯だ一つの愛であるから-----エー・コント
婦人の能力は支配にあって戰爭に無い。そして、彼女の智力は發明と創造に無くして、規則と整頓と裁定とにある-----ラスキン
自分の常に愛してゐて逐ひに了解し得ないものが三つある――繪畫画と、音樂と婦人と-----フォントネル
學識ある婦人は、彼等の無遠慮な饒舌と自惚に依て總ての信用を失った-----スヰフト
男は女同志相互の憎惡の原因である-----ラ・ブリュイエール
男子の友情は屡々扶助である。婦人の友情は常に慰籍である-----ロシェペドル
男の過失を正すにはその理智に訴へ、女の過失を正すにはその感情に訴へる-----ド・ピューセン
寡婦は最初の船長が破船させた船のやうなものである-----カール
女のあるところには災禍の總ての種類がある-----メナンデル
快活が婦人の贈物であるやうに、荘重は男子の贈物である-----アヂソン
男子の厚誼を願ひ求めるのは、婦人が男子に與へる尊敬の最高の證で、自分の友情を男子に與へるのは、最も冷淡の證である-----(無名氏)
偉大なる婦人は、歴史と獻身犠牲に屬する-----リー・ハント
女は舞踏と集會を好む――獵師が獲物の澤山な場所を好むやうに-----ド・ラトナ
女の最も甘美な喜びの一つは、後悔する事だ-----シェヴァリヤー
社會は婦人の書籍である-----ルソー
婦人は皇子の如く、眞の友人を二三人しか發見せない-----リットルトン
婦人は日蔭にのみ其の香氣を放散する花である-----ド・ラメンネー
正直な婦人は、我々が約束する事を恐れる一人である-----バルザック
女にとっては、彼女の作るローマンスは彼女の讀むローマンスよりも面白い-----ゴーチェ
男の理論の全部は、女の感情の一つに値ひしない-----ヴォルテール
婦人が我々に為した總ての惡は我々から出てゐる。そして彼等が我々に為した善は彼等から来てゐる-----エミ・マルチン
婦人の無い宮廷は春の無い年、花の無い春のやうなものである-----フランシス一世(佛蘭西)
最初に、婦人は母の愛情を以て我々の貴き希望を養ふ。次に、輕率な牝鶏のやうに、彼女は巣を棄てる-----ゲーテ
女の種族が決して生存しなかったならば――私の為めの唯独りを例外として-----ユーリピデス
一人でも地上に居る限り、女に就いて語らるゝ或る事が恒に殘るであらう-----ド・ボーフォル
交際社會に於ける婦人の談話は、陶器を荷造りするに用ゆる藁に似てゐる。それは何でも無い。が、それが無ければ皆壊れるだらう-----ド・サルム夫人
眞珠は純潔の象徴である。しかし婦人は眞珠よりも純潔である-----アンニー・ボールドン
彼等は世界を支配する――彼の甘美な唇の婦人達-----ダブルユー・ホルメス
婦人の可愛らしい時が二度ある――彼女が家に入って来る時と、出て行く時と-----(無名氏)
婦人は其の容貌に於て、我々が法律に於けるよりも多くの力を持つ。そして其の涙に依って、我々が論爭に依って持つよりも多くの力を持つ-----サヴアユ
女の最も殘酷な復讐は、屡々男に對する眞實となる-----ボッシュー
女は邪智の舌と、詐欺の心を持つ-----タッソー
智識の女は感情の女の如き興味を我々に與へない。白薔薇は紅薔薇よりも愉快で無い-----ホルメス
男は自分の知るところを語り、女は自分を喜ばす事を話す-----ルソー
婦人は、どんな微風にも曲るが嵐に折れない蘆のやうなものである-----ウエートリー
我々は大なる困難には男子の友情を要し、日常生活の事件には婦人の友情を要する-----トマス
或る婦人は多くの装飾を要する。或る食物が食慾を興奮させる為めに多くの藥味を要するやうに-----ローシェブルネ
總ての情は年と共に死ぬ。自愛のみ決して死なない-----ヴォルテール
婦人の生涯は長い假託である。正直、美、新鮮、處女、禮節、――婦人は一つ宛其の何れをも持つ-----ラ・プルトン
男は苦しい時にのみ醫師を呼ぶ。女は無聊に苦しめられるばかりに醫師を招ぐ-----ド・ゼンリ夫人
男は彼等が考へるよりももっと惡い事を女に就いて云ふ。女が男に對するのはそれと反對である-----デュベー
僧侶の虚偽と婦人の狡猾とは總ての他の虚偽と狡猾に勝る-----ブユルギュー
智力は婦人の本性に對して、彼女の衣服に於けるスカートの位置を持つ-----ホルメス
年とった男蕩しの女は若い女の總ゆる缺點を有してチャームを持たない-----デュビュー
女の感覺は燃え上る。そして石炭の火の焔のやうに、顫へて衰へる-----ミッチェル
女は大膽な男のやうに進む。が、大膽な男はもう一層進む-----ル・メスル
婦人は面倒な判讀の困難なしに他の婦人の性格を讀む-----ベン・ジョンソン
流れよ酒! 笑へよ女! 而して世界は慰められる-----ブランギュー
謹愼は雄辯よりも婦人に必要である。何故なら、彼等は話さないよりも話す方が困難が少ないから-----ドウ・ボス
常に女を良く云ふ者は十分彼等を知らない。常に女を惡く云ふ者は毫も彼等を知らない-----ピゴール・ルブラン
女が我々のものとなるや否や、我等は最早や彼等のもので無い-----モンテーヌ
虐待される女は、沈黙と秘密の外に隱れ家が無い-----ステール
女は最も女らしい時最も完全である-----グラッドストーン
社會は一夫多妻を以て初まり、一妻多夫を以て終る-----ゴンコー
婦人の友情はクッションである。それに彼等はピンを挿す-----(無名氏)
婦人の全生涯は愛情の歴史である。感情は彼女の世界で、其處に彼女の野心が主權を相爭ふ-----ワシントン・アーヴヰング
婦人は世界が基督教を受け入れた後に改造された新らしい種族である-----ヘンリー・ワード・ピーチャー
此の進化したる世紀に在っては、十六歳の少女は其の母の如く多くを知り、もう一層其の智識を享樂してゐる-----(無名氏)
男は智識が力であると云ふ。女は衣服が力であると考へる-----シェルドン
婦人の理性は常に感情に依って影響され、男子の感情は常に理性に依って影響される-----プレッシントン
婦人は男子と同様の希望を持つ。しかし、それを表明する同様の權利を持たない-----ルソー
無教育の男は智の堕落から逃れるかも知れない。無教育の女はそれが出来ない-----シドニー・スミス
女は稀れに男に對して情深い――臆病な男に-----リットン
女は宗教の住み家である。そして、それを青年に傳へる-----チャンニング
不仕合の女は不仕合の男よりも一層不幸である-----ヴヰクトル・ユーゴー
女に信友が無いと云ふ事は、自然界に於ける最大の不幸である-----ファルキュアル
婦人は皇后の如く、獄に入れて男の十分の九の烈しい勞働をするやうに定められた-----トルストイ
感情で無く、理性に依って導かるる婦人は社會の害物である-----バルザック
其の唇を與へた女は有らゆる物を與へる-----ヴヰエユ
了解の速かなる事に於て女は男に勝る-----ブルックハート
女は男の横腹から作り出された。それは相互の幸福である。彼女は永久に其の誕生の場所を溺愛する-----エフ・エム・フィンチ
科學は稀に男に柔和を與へる。女には決して與へない-----ビューセン
婦人は倫理上の世界に居り、花は物理上の世界に在る-----マレシャル
男のウヰットを女のそれに比較するのは、臙脂を薔薇色に比較するやうなものである-----サン・フォー
愛情は無智の子供である。我々の經験の地平線が延び、モデルが殖ゑる時、戀と讃美とは目に見えぬやうに消え去る-----ロード・ビーコンスフヰールド
言葉は女である。行為は男である-----テー・ポドレー
男よりもより多く、女は互ひに類似點を有する。實を言へば女は二つの熱情――虚榮と戀を有するのみである-----チェスターフヰールド
皺が女を醜くするのは、悪い性質よりもやゝ少ない-----デュピュー
 


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