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警句集 女と惡魔』 G.F.Monkshood編著 安成二郎訳


【俚諺】

第二の思想は最善である。神は男を創った。女は第二想であった-----(諺)
戰爭に出づるに際しては一度び祈れ、航海に臨んでは二度び祈れ、結婚に際しては三度び祈れ-----(諺)
女を信ぜざれ、死んでからも-----羅甸
美人は目のパンで、頭の悲しみである-----獨逸
女は居れば餘計者で、居らなければ缺乏である-----葡萄牙
寡婦を口説くには喪中に於てせよ-----獨逸
婦人の思ふところは、神の思ふところである-----(諺)
女の笑と、涙と、歌とは、等しく虚偽である-----羅甸
禮節無き女は鹽無き食物である-----亞剌比亞
上等の靴を造らうと思ったなら、女の舌を底皮にせよ。決して摩り耗らない-----アルサチアン
女は惡魔よりも機會を知っている-----伊太利
妻の無い男は身體の無い頭で、夫の無い女は頭の無い身體である-----獨逸
女の策略は彼等の年齡に從って増加する-----(諺)
女と、驢馬と、果實は、強い手を要する-----伊太利
女と酒と、勝負事と詐偽とは、富を少からしめ、欲望を大ならしむ-----(諺)
我等は婦人に對して四つの事――淑徳をその胸に、禮節をその額に、深切をその口に、勞働をその手に住ましめん事を求める-----支那
其の尾に依って鰻を捉へ、其の言葉に依って女を捉へる者は、直ちに何物も手にせざるを發見する-----(諺)
女は常に眞理を語る、が、完全なる眞理ではない-----伊太利
誰でも妻を撰ぶには、目よりも耳を以てしなければ不可ない-----(諺)
戀に夢中になってゐる女に比べれば、狐はそんなに狡猾では無い-----(諺)
戀は時を空費し、時は戀を醒ます-----(諺)
沈黙と顏を赧らめる事とは婦人の雄辨である-----支那
世界に唯だ二種の善良なる女がある。その一つは死んだ、そして、他の一つは未だ生れて来ない-----獨逸
彼女が美人である事を女に言へ。然らば、惡魔が幾度も其言葉を彼女に繰返すであらう-----伊太利
女は顏を赧らめない為めに臙脂を塗る-----伊太利
馬を買ふに當たっては、又妻を娶るに際しては、緊く汝の眼を閉ぢて汝自身を神に委ねよ-----伊太利タスカニー
終りまで汝の犬を信ぜよ。女は――最初の機會まで-----(諺)
女と其の下僕が心を合せたら、一ダースの惡魔を欺く事が出来る-----(諺)
女と娘は、眞實にか嘘にか讃めなければならぬ-----獨逸
男は女の頭である。しかし、女は彼女の機嫌で彼を支配する-----露西亞
婦人の美と、森の谺と、虹は忽ち消え去る-----獨逸
美しい妻を持つ男は決して紛てんを欲しない-----(諺)
女と、風と、運命は忽ち變ずる-----西班牙
汝の妻を、汝の魂の如く愛せよ、梅ノ木の如く揺り動かせよ-----露西亞
婦人の名聲は幸福の墓である-----(諺)
女は愼み深い男を讃める、が、彼を好かない-----(諺)
一人の女のそれよりも、澤山の蚤のつくのに氣を付けるのがヨリ容易である-----(諺)
戀は驢馬に踊る事を教へる-----佛蘭西
新しき戀は古き戀を逐ふ-----西班牙
刺の無い薔薇は無く、競爭者の無い戀は無い-----土耳古
戀の力は有限で、金の力は全能である-----佛蘭西
戀は小屋を宮廷の如く住む-----荷蘭
男は火、女は麻屑である。惡魔が其の焔を吹きに来る-----西班牙
美しい妻を持つものは、二つの眼より外に必要が無い-----(諺)
将軍としての女は一人だ。兵卒はいくらも有るだらう-----羅甸
煙と惡い空気と、ガミガミ云ふ妻とは、男を家から逐ひ出すものである-----荷蘭
女は汝の影のやうなものである。彼女を追へば彼女は飛び、彼女から飛べば彼女が追ふ-----(諺)
女は即席の事に賢い、考へる事に愚かだ-----伊太利
美しい妻を持つ男と、國境に建つ城と、路傍の葡萄畑は爭ひを斷たない-----西班牙
姑は床の上にゐる惡魔である-----荷蘭
女は知らざるところのみを隱す-----(諺)
正直な妻と砕けた脛は家の中に居る-----西班牙
女と、僧侶と、家禽は飽く事を知らない-----(諺)
娘で充たされた家は、酸敗したビールで満たされた穴蔵である-----荷蘭
女と牝鶏はブラブラして日を暮らす-----西班牙
女は出来る時に笑ひ、欲する時に泣く-----(諺)
男をして彼自身を改作せしめ得るものは女のみである-----佛蘭西
商議をしてゐる城と、耳を傾けて聽く女とは、降伏を覺悟せるものである-----(諺)


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