細君の化粧室に入るものは哲學者か馬鹿かである-----バルザック
男は、彼女が男であった場合に友人として選び得る、かかる女をのみ妻として選ぶ可きである-----ジュベール
妻と子供等は人道の取締の一種である-----ベーコン
男は善良なる女よりも善き何物も持つ事が出来ない。又、惡しき女より惡しき何物をも-----シモニデス
淑徳ある婦人は良人の冠である。しかし恥を為すところの婦人は彼の骨に於ける腐敗の如きものである-----ソロモン
謙遜なる處女と、慎深き妻と、注意深き主婦は、女の哲學者、良人を後に敷く女、勇敢なる女王よりも、ヨリ多く人生に有用である-----ゴールドスミス
飲食する事なしに済ますよりも、妻なしに済ます事は、もっと不可能である-----ルーテル
人生最上の愉快は妻の晴れやかなる歓迎である-----ウィリス
結婚の前には婦人は女王であり、結婚の後には臣民である-----ド・メントヌー
狡猾な男は尻に敷かれまいとして、愚かな女を妻に擇ぶが、大抵失敗する-----ジョンソン
妻と子供を持つ男は幸運を人質に與へたのである。何故なら、彼等は淑女と惡女たるとを問はず、大事業を妨害する-----ベーコン
男が妻を持ってゐると云ふ時は、妻が彼を持ってゐる事を意味する-----ガヴァルニ
良人を措いて、他人の為めに容づくる女は、自身の娼婦たるを示すものである-----エーリピデス
男は誰も彼の胸に凭る妻が何であるかを知らない――誰も彼女が救助の天使である事を知らない――此の世の烈しき困難を彼女と共に凌ぐまで-----ワシントン・アーヴィング
年頃の娘は、誰も小賣をしないといふ条件でのみ卸賣をする事の出来る商品の一種である-----カール
妻は若い男の戀人で、中年の男の友人で、老いたる男の保姆である-----ベーコン
家には有益な、そして善良な妻を持て。然らざれば寧ろ結婚しないが良い-----ユーリピデス
縱令ひ彼女の良人が男の中の最も偉大な、最も完全な人間であっても、女は自分の心を保證する事が出来ない-----ジォーヂ・サン
男の頭に自身を投げかける女は、忽ち彼の足許に彼女の場所を發見するだろう-----デノイエル
結婚は男子の不徳を夫人に傳へる。しかし決して徳を傳へない-----フーリエー
總ての不配合の結婚に於て、その過失は男よりも女に少ない。女の意志に依る選擇が少ないから-----ド・リュー夫人
六十の歳になって十六の美くしい娘と結婚するのは、本を購って友人に讀まれる無智な人々を模倣するのである-----リカアド
善き妻を選ぶ事の外は、――良き良人を選ぶより困難は無い-----ルソー
女は決して彼女の情の承諾なしに戀人を受け容れない。又、理性の承諾なしに良人受け容れない-----ド・レンクロス
年とった女は、花嫁としては甚だ惡いが、妻としては實に結構である-----フヰールヂング
結婚は戰爭がナポレオンを有し、詩がシェーニェーを有し、哲學がデカルトを有する如く、未知の偉人を有する-----バルザック
結婚は屡々、互ひに知らない二人の生命を結合する-----バルザック
婦人の品位は彼女の未知の實在の中に、光榮は彼女の良人の尊敬の中に、歓喜は彼女の家族の平安の中に在る-----ルソー
善良の妻より善きものは無い。そして、ノラクラする事を好む惡い妻よりも惡いものは無い-----ヘシオド
女は家庭の救済者、でなければ、破壊者である-----エミール
男は、女が自分等にとって上手の對手である事を知ってゐる。そこで、彼等は最も愚かな、最も無智の者を選ぶ-----ジョンソン
善良なる婦人との結婚は、暴風中の港である。しかし、惡しき婦人との結婚は、港に於ける暴風を示す-----プテイ・サン
男は常に、妻が希臘語を語る時よりも、美味い晩餐のある時の方をもっと喜ぶ-----ジョンソン
獨身者は寂寥を免れる為めに妻を求める。妻帯者は差向話を避ける為めに社交を欲する-----ワーン
幸福な結婚の殆んど無い理由は、若い妻が彼女の時を籠を作らずに巣を造る事に費してゐるからである-----(無名氏)
婦人は男子への最も崇高な、最も神聖な、最も價値ある贈物である。彼女の使命と王座は家庭に在る-----トッド
若しも、妻が良人の生活の方式に忍耐して服従するやうに自身を導く事が出来るならば、彼女は容易に良人を支配し得るだろう-----アリストートル
軽い妻は良人を重くする-----シェークスピーヤ
女は結婚に就いて恐怖を有しない。何故なら彼等は決して結婚が含有する可能の困苦を考へない程、結婚が彼等に幸福を持ち来すといふ想像に囚へられてゐるからである-----(無名氏)
家庭から離縁された婦人は、波に浮ぶ漂流物の如く寄る邊なく漂ふ-----ゲーテ
處女と結婚せよ。汝は彼女に慎重なる態度を教へる事も出来やう-----ヘシオド
結婚は富籤である。それに男は自由を、女は幸福を賭ける-----ド・リュー夫人
賢い男は、屡々その妻を戒め、稀に彼女を叱るが、決して手を彼女の上に加へない-----マーカス・アウレリウス
結婚は宴會である。其處では時に、御馳走よりも優美が善い-----ラコン
女を口説くに際して、多くの男は、自分の為めには燃えさうもない火に乾いた木を投ずる-----バルザック
求婚の折、或は其後に、婦人が男子に對して要求するところは、第一に、女としての彼女に對する尊敬、次には、總ゆる他の婦人に越えて彼に依って尊敬さるゝ事である-----ラム
我々の時代にあっては、婦人は普通に、良人への斡旋と、熱心な愛情の發表を良人が死ぬまで保存してゐる-----モンテーヌ
男に欺かれて女は彼等と結婚しやうとする。それは復讐の一種である-----ポーマノエー
婦人は全く自身の情熱に溺れる。彼等は其の全幸福を骰子の上に賭け、良人と子供の光榮の為めに自身を失ふ-----エマーソン
結婚とは閻魔の廳の記録係を家に入れる事である-----ロバート・ルイス・スチヴンソン
女は眞に最も向ふ見ずである。彼女は惡い良人から免れる避難所を有しない-----ジェリミー・テーロア
天國には、モルモンの類を外にして、どんな結婚も不可能な位、男よりも女がずっと數多く居るであらう-----シェルドン
オルフォイスは妻を探すに地獄へ行った。何うして澤山の鰥夫等は彼等の妻を探すに、天國へさへ行かうとしないのであろう-----プティ・サン
女は相談對手に自分よりも強固な意志の必要がある。彼女は結婚しなければならない-----カルデロン
男は金持の女と結婚し、そして、可愛らしい女を戀する-----ヴェー・アンスロー夫人
結婚は屡々、二人の為めに倦怠である-----エマーソン
常識家の男にとって、其の妻が自分より豊かな智識を持ってゐるほど恐ろしい事は無い-----フヰールヂング
夫婦の間に戀愛を繼續するのは科學である-----レーバン夫人
女の二つの最も樂しい日は、その結婚の日と葬式の日である-----イツポノー
結婚と母たる事に依って馴らされた心は、馴れた小鳥のやうに静穏である-----ホルメス
妻を娶る事は、若し我々が眞理を尊敬するならば、惡事である。が、それは必要な惡事である-----メナンデル
私は自分が男で無い事を喜ぶ。男であったら女と結婚すべく餘儀なくされたに違ひ無いから-----ド・スタエル夫人
汝の妻を、彼女の為めに嘆息するよりは寧ろ慰めよ-----ステール
誰でも、富或は高い階級に誘惑されて、不徳の婦人と結婚する者は愚人である-----ユーリピデス
現時の結婚?――余は、夫婦約束に依る強姦と云はんとす-----ミシェル
妻の愛に満足する者は人生の落伍者である-----(譯者)