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警句集 女と惡魔』 G.F.Monkshood編著 安成二郎訳 大正3年3月14日 新潮社発行 定価40銭 小四六判 205頁 丸背紙装上製本 カバー 装幀:森田恒友


【神と惡魔】

婦人は神の矛盾の奇蹟である、-----ミシェル
余は思ふ。自然と怒れる神とが汝を此の世に生ぜしめたるを。 男子を苦しめる汝、邪惡の性よ!-----アリオストー
神は愚人を作ると直ぐに男蕩しを創った-----ヴヰクトル・ユーゴー
婦人は神が男子に與へた最も愛らしい贈物である-----ギュィヤール
聖書に、神が創造した最後のものは女であると記されてある。然らば、 神は土曜日の夜にそれを創ったに違ひない。作物に疲勞が現はれてゐる-----デュマ
神は男を飼ひ馴らす為のみに女を創った-----ヴォルテール
女は神と惡魔の共同製作品である-----アンドロニカス
情に總ての火を集中する為に、神は婦人に天才を拒絶した-----リヴァロル
婦人は、惡魔がもう彼等と共に何事も欲しない時に、彼等自身を神に與へる-----ソフィ・アーノルド
獨身者は神意の者である。神は寡婦の慰藉の為めに、又處女の希望の為めに彼等を創った-----ド・フヰノー
私はいつもそれを云ふ。――自然は其の傑作として女を造らうと欲した、と-----レッシング
女は惡魔の機關である-----ド・ヴァラヌ
自然が女に云った。――若しも汝が能ふならば美くしかれ、若しも汝が欲するならば貞淑なれ、併し、謹慎は必ず保たなければならぬ------ボーマルシェー
神が、兇惡なる蛇の毒液に對して解毒劑を與へながら、邪悪なる女の毒液に對して何んにも與へないのは不思議な事である-----ユーリピデス
女は、我々をして天國の門を通って地獄に行かしめる惡魔である-----(無名氏)
造物者は、男を創った事を後悔するかも知れない。しかし、女を創った事を後悔する理由は無い-----マルエルブ
神は總ての全量なる婦人を祝福す! 彼等の柔軟かな手と可憐の心へ、我々は總て最後に行かなければならぬ-----ホルメス
男は女の玩具である。そして、女は惡魔の玩具である-----ヴヰクトル・ユーゴー
女は、男と天使との中間の動物である-----バルザック
我等が惡魔の家に急ぐ時、女が數千歩の先きに立って我等を誘ひ導びく-----ゲーテ
全くエンゼルが彼等と適合するかのやうに見える程、氣嫌のとり惡い婦人がある。此の故に、彼等は屡々惡魔と適合するやうになる-----マルグリト・ド・ヴァロア
妙齢の時代には婦人は天女の如く待遇される事を欲する。彼等は此の理想を尊敬する。彼等は自然が彼等に求める生物の理想には堪える事が出来ない-----(無名氏)
婦人が尊敬される時は神が満足する。しかし、彼等が恥を蒙る時は、敬神の總ての行為は無益である-----(マヌの法典)
神が母に就いて考へた時、彼は満足の笑聲を洩らしたに違ひない、そして、速やかにそれを作出した。豊富と奥妙と神聖と、精神の充實と力と美とが其の概念であった-----ウォード・ピーチャー
女は神の碌でも無い空想の産物である-----譯者


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