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雜本與太話・過去ログ 2008 5月


赤い夢投稿者:男爵探偵 投稿日:2008年 5月 1日(木)06時19分26秒

たくりん様
 連休前の、探偵作家訪問、終了しまして、
 これで一連のことも終わりました。
  あとは、日記類の取り込みだけです。
  蔵書整理、経験では、すればするほど増殖する(笑)
 ということ、大変です。
  久方ぶりに、稀な、カストリ雑誌「赤い夢」昭和24
 (赤い夢社、神田)を入手。見たことがありませんでした。
  久方ぶりのホームラン。
   無油断ニテ、古書店散策候得者、行其アタル事有レ共
  日々此、夢之跡之取扱処計リ也


閉口間隔投稿者:一日一行筆不精管理人彭城矯介 投稿日:2008年 5月 2日(金)22時58分52秒

Peter-Rabbit樣
貴兄もこと古書に關する限り、兎の皮を被つた鬼だといふ事がよく分かりました。
頭の上に生えてゐるのは、耳ではなくて角だつたのですね(笑)。
個人的には骨皮道人論に期待してゐるのですが、その前に某デザイナー氏が
骨皮状態になつてダウンし、鬼(面)編輯長の支配する鬼ヶ島雜誌が
終刊になつてしまふのではないかと危惧してをります。
聞けば昨今流行の羅馬字略語では、T Gとは「體力限界」の意味とか。

デザイナー「すみません編輯長、自分は名實共にT G(體力限界)になつて
しまひましたので、今囘で最後といふ事にさせてもらへませんか?」
鬼(面)編輯長「さうか、それは殘念だなあ。T G(體脂肪減量)のためには、
       もう少し續けた方がいいと思ふが、命には代へられないからな。
       短い間だつたが御苦勞樣。精精養生して呉れたまへ」
などといふ事態を避けるためには、編輯長に「値上げしてもいいから續けて下さい」と
直訴するよりも、デザイナーに義捐金を送る方が遥かに有効と言つてよいでせう。
兎に角、彼が「常識ある大人になりたい」などと言つて、
買ひ控へしたりするのを見るのは、他人事乍ら胸が痛みますので(笑)。

>男爵探偵樣
殘念乍ら外れです。この『うもれ木』は初版ではありませんので。
山田一郎に就いての本といふと高島氏の物でせうか?
「文學界」連載時から、いつ單行本になるのか樂しみにしてゐたのですが、
いきなり新書といふのは少少興醒めですね。
それにしても、以前であれば賣れる筈の無い本が、先に賣れてしまふといふのは、
矢張り自分で自分の首を絞められた成果が、如實に現れて來てゐるといふ事でせうか。
目出度いのか目出度く無いのか、よく分かりませんが(笑)。

>萬嘯廬樣
さういへば、秋山氏もブログを始めてをられますが、樂器探しで頻繁に神保町にも
お越しになつてゐる御樣子。そのうち運命の再會が待つてゐるのでは無いでせうか。
この際、阿鼻叫喚も再結成されて、私家版和装木版口繪付限定30部くらゐのアルバムを
製作されては如何でせう。
それにしても、進む道はすつかり違つても、長髪を維持されてゐる點は同じですな。
今度はJ.A.シーザーの向うを張つて、S(精力).Z(絶倫).エンペラーとでも名乘られては
如何でせう?(笑)

>ymnk樣
忙しくなればなる程、自ら執筆量を増やしてしまはれるのも若さの證しでせうか?(笑)
「三島由紀夫、展」といふのは多分、藤岡弘が「自分はまだ未完成の、發展途上の人間だから」
とか言つて、藝名を「藤岡弘、」に改めた故事(?)を踏まへてゐるのかも知れません。
要するに、三島問題はまだ完結してゐない、今尚繼續中であるといふ事を言ひたいのでせうが、
仕樣もない眞似をするんぢやあない、といふ感じですなあ(笑)。

>文庫中毒樣
相變はらずフットワークが輕くていらつしやる。流石は元活動家(?)ですな。
最近はつくづく、本の背の見える生活が羨ましくて仕方がありません。
必要な本が、必要な時に出て來ないといふのは、本當に困りものです。
尤も、もう一部屋書庫があつたとしても、たちどころに本で埋め盡くされるのは、
體驗的によく承知してをりますが(笑)。

>たくりん樣
これまた殘念乍ら外れです。その一番大きい奴が一番安かつたのでした。
正解の一番高かつた本は、前川佐美雄の『天平雲』でした。と言つても二千圓ですが。
要するに、どの本も千圓臺だつたといふ事です。なかなかお買得でせう。
それにしても、藏書整理とは大變ですね。どの邊のジャンルを手放すお積りなのでせう?
もしかしたら、拔きたい本があるかも知れません(笑)。
いづれにせよ、悔いのない形で整理が出來ますやうお祈り申し上げます。
今は下手な文學書なんかより、子供の頃の怪獸圖鑑の方が高く賣れる筈です。
宮澤賢治展なんかより、以下のイヴェントに例の秘藏アルバム持參で參加して、
サインでも頂いた方が、遥かによいのではないでせうか?
果たして御當人に喜ばれるか、どん引きされるか、どちらか分かりませんが(笑)。

http://movie007.hp.infoseek.co.jp/schedule0806.htm#koutaro-


赤い籤投稿者:男爵探偵 投稿日:2008年 5月 3日(土)07時26分37秒

管理人様
  外れましたか、最近は古書から遠ざかりつつある・・・、
 当たらないからだ、と気つきました。
  自分の首をしめているということでしょうか、
 探偵作家の遺族にあって、かろうじてのこっているのは
 日記だけということが多いです。
  来年の一冊のために書き下ろしています。
 今度は書き下ろしが中心です。
  日々此レ現実也、急グ者母有候連共、何可戸
 身野周里二ハ、急事ノミ有レ得者、助毛手呉留人有や


謂れなきほめ言葉投稿者:Peter-Rabbit 投稿日:2008年 5月 6日(火)21時43分21秒

はてさて、何のことやら?彭城矯介管理人にお褒めに預かるやうなことが何かありましたでせうか?(^o^)
このところ、めぼしい収穫品もありませんし、誰かを出し抜いて落札した本もないですし。
兎の皮を被つた鬼


(無題)投稿者:萬嘯廬 投稿日:2008年 5月 7日(水)12時48分37秒

管理人様
いつぞやも茲で申しましたように、関心の失せてしまった事柄ですので、
あの頃を思い起こせば遺憾に堪えないのですよ。
あのようなヤクザな世界に首を突っ込まなければ、当時は森銑三を初め多くの先達が存命でした。
否、文学のみならず様々の分野に名人上手が居たと記憶しております。
せめて謦咳に接する事ぐらいは出来たのではないのか、と思うと返す返すも恨めしい話です。


紫雲山人投稿者:日高正司 投稿日:2008年 5月 9日(金)20時55分45秒

はじめまして、教えて下さい。
明治四十二年、紫雲重永義榮なる人が書いた碑文が近所にあります。気になって検索していると、こちらのサイトにある紫雲山人「妻ノロジー」がヒットしました。紫雲山人(重永義榮)と同一人物かは別として、不勉強でどの様な方だったのかを知りません。詳しい経歴などがわかりまたら、お教えていただけないでしょうか?


re.紫雲山人投稿者:貴公 凡 投稿日:2008年 5月 9日(金)23時39分36秒

日高正司様
「妻ノロジー」の奥付には著者、重永義榮と記してあります。恐らくその碑文の主と同一人物だろうと存じます。私も一通りは調べましたが、現在の処何もわかっておりません。


ご無沙汰しています投稿者:文庫中毒 投稿日:2008年 5月12日(月)19時36分11秒

photo

男爵探偵様
最近はこれといった掘り出し物もなく、悶々とした日々を送っております。
時々「ブ」を梯子し、「ぶ」を攫っております。
写真は連休中の某日、某ブ店にて各105円で手に入れたものです。
嗚呼、慙愧にたえません。

管理人様
書庫の法則によれば、書庫というものは出来た時点で満杯になる運命のようです。
一年前に母屋から書庫に運び出したものの、最近また家人にこっそりと母屋に逆戻りの本が増えております。
嗚呼、慙愧にたえません。


本探し投稿者:男爵探偵 投稿日:2008年 5月13日(火)20時21分55秒

文庫中毒様
  無間違、本書籍者増殖候也
 而シテ、慙愧二陥イルモノ也、是自然之諸法や
ということで、増殖は現場でおこっているようです。
このところ、本について話す機会が何度かあって
 そのあとの2次会で「本を探してください」といわれ、
 それも子供の頃に読んだ本であったり、此の地方都市で
 刊行されたものです。
  皆、当時の定価で・・・、ということで、ボランティア
 になっています。人の本探しです・・・


更新報告 投稿者:貴公 凡 投稿日:2008年 5月14日(水)13時13分58秒

黒瞳

稀少雜誌に「黒瞳」を追加致しました。

http://kikoubon.com/kokudou.html


暗闇男爵投稿者:男爵探偵 投稿日:2008年 5月17日(土)06時06分54秒

管理人様
日々是好日也、途者イカズ、日々是難渋や
 天候二似手居候得共、六ヶ敷事也
  そうでした、新書です、山田一郎さん。
 此のところの蒐書。
 ・杉山平一詩集夜学生、昭和18
 ・ミラボー橋、杉山平一、昭和27
 ・裸女と拳銃(シナリオ)、鷲尾三郎
 ・海景の距離、詩村映二詩集、昭和9
 ・暗闇男爵、角田実、昭和33
 ・毒殺怪事件(異装版)、伊那勝彦、昭和22


志功装丁本日誌β(1) 投稿者:文庫中毒 投稿日:2008年 5月25日(日)22時04分7秒

河の音

もう数週間程前になるが、ネット古書店で清水文雄著『河の音』を購入した。
四六版上製でカバー付き、良い状態のもので1万円ちょっと。以前にもカバー無しが3〜4千円で出ていたのを注文したことがあったが、すでに売り切れていた。
棟方志功が題字を提供していて、同じものをカバー、表紙、扉に使用している。
内容は国文学や教育に係わる短い感想文・随筆文風のものを集めたもの。
発行は一応「王朝文学の会」としているが、奥付には非売品としてあり、大学退官記念の自費出版のようである。友人知己に配ったものか。
清水文雄は中世文学を専門とする国文学者として、また学習院教授時代に三島由紀夫を見いだしたことでも有名。雑誌「文藝文化」を薄田善明らと創刊。この関係で棟方志功の知遇を得たものであろう。
志功装丁本で未集のものが少なくなってくると、こういったものにまで大枚をはたくことになる。


文庫中毒殿投稿者:ymnk 投稿日:2008年 5月28日(水)02時42分44秒

ちなみに、ほぼ同装幀にて「続河の音」というのもあります。


助かります投稿者:文庫中毒 投稿日:2008年 5月28日(水)18時58分41秒

ymnk様
ご教示ありがとうございます。続編は全く知りませんでした。早速国会図書館の検索をすると、確かにありました。同じような装丁なのですね。こりゃまた探すものが増えたぞと思いましたが、発行年が志功没後でしたので、ちょっと安心しました。気長に安いのを探そうと思います。
これからも情報発信をしていきたいと思います。またお気づきのことがありましたら、何でもどしどしお教えください。


河の音投稿者:男爵探偵 投稿日:2008年 5月29日(木)06時45分18秒

文庫中毒様
 此地ニテ多見絵多留、枯薄木成「河の音」也
 発見スル機会多毛連共、無油断、次回者入手スル予定や
  果シテ遭遇スルや否可

ymnk様
  ご無沙汰しています、カストリ雑誌でも、だんだん
 さらにマイナーなものに、はまり込んでいます
  是、如何也


(無題)投稿者:文庫中毒 投稿日:2008年 5月29日(木)18時47分38秒

男爵探偵様
「河の音」は男爵探偵様の勢力範囲内広島の出版ですね。そちらではよく見かける本なのでしょうか。続編のほうはいかがですか。もし安く出ていたらぜひ教えてください。


続河の音投稿者:男爵探偵 投稿日:2008年 5月29日(木)19時02分49秒

文庫中毒様
 よく見かけますので、遭遇しましたら、『続河の音』を確保します。
  以前も、均一棚に並んでいました(泣)
廿九日 曇天後晴 家デ罷在候女一人者ダンボール箱
  3口二驚愕、入用相嵩候二付、吾二慌手手引移リ申候


志功装丁本日誌ver.β(2)投稿者:文庫中毒 投稿日:2008年 5月31日(土)10時16分55秒

生活の目標

上京して古書即売展に行く機会が最近ではほとんどないので、ネットが頼りである。
先日横山美智子著『生活の目標』萬里閣、昭和16年発行の特製本、カバー付を「日本の古本屋」で見つけ、ネット古書店から購入した。状態の悪いカバーが付いて  円。
もちろん一般に販売された並製本はすでに架蔵している。だがカバー付特製本とあれば、状態の如何を問わず、とりあえず押さえておく。
表紙、カバーは同じ図柄で、本文、奥付や定価も全く同じである。装丁が並製と丸背上製、カバー無しと有りのほか、検印及び検印紙がまったく違う。
出版統制が徐々に厳しくなり出版社の統合が進む戦時中、贅沢な作りの本は影をひそめるのに、並製販売用の本とは別にこのような特製本が作られている例がある。
例えば、長谷川銀作著『牧水記』図書研究社、昭和18年発行の特製本。
両者ともに装丁と検印及び検印紙のみ違うのが、何だか曰わくありげである。特製本として販売した形跡もないので、著者献呈用であろうか。もしそうなら数は少ないはずである。以前話題になった、ぐろりあ文庫のカバー付きも同類とすべきか。
明らかに別価格で売り出しているものには、津村信夫著『戸隠の絵本』、前川佐美雄著『白鳳』などの特製本があり、未確認ではあるが蔵原伸二郎著『風物記』や筏井嘉一他著『歌集新風十人』なども同様か。
『生活の目標』の横山美智子は尾道出身の作家。少女小説を多く手がけるほか、教育関係の著作もある。『生活の目標』も啓蒙的、教養的な感想文、随筆文の類である。
著者と棟方志功とは直接的な関係はなさそうで、むしろ萬里閣が仲立ちしたものであろうか。保田輿重郎の関わりが気になる。
これ以降、萬里閣の志功装丁本としては保田輿重郎著『後鳥羽院(増補新版)』昭和17年発行、阿部静枝著『若き女性の倫理』昭和17年発行、同『苦しめど克ちてゆかん』昭和18年発行がある。


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