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Salon de 書癡 過去ログ 2002 10月

生活と苦悩 投稿者:留女  投稿日:10月 1日(火)19時02分53秒

留女です
ご無沙汰しております。
最近、壺坂精神文化研究所編なる「人生随筆選集・第一編・生活と苦悩」(大正十五年・人生随筆社発行)なる書を入手致しました。執筆者も多彩で石原純「道徳の根源としての愛について」 土田杏村「弁慶の釣鐘」 武者小路実篤「生活と苦悩」 倉田百三「盲目川」 松岡譲「苦悩に就いての態度」等の面々です。
さて、この第一編との記載があるからには、続きがある可能性が強いと思われます。
何方かご存知の方の情報を戴きたいと存じます。何卒宜しくお願いいたします。
御礼 投稿者:yamanaka  投稿日:10月 1日(火)20時49分36秒

人魚の嘆き様
三島署名本についてお教えありがとうございます。確かに、いろいろな可能性がありそうですね。
(無題) 投稿者:文庫中毒者  投稿日:10月 1日(火)21時14分24秒

文庫丸様
SFは文庫に限らず、私が最も関心を持ち、読み漁ってきた分野です。ただ最近は一段落し、純文学や本の装丁の方に興味が移りつつあります。こちらのサロンでは、SF方面の話題は違和感がありますので控えております。もしよろしかったらYAMANAKA様の「月下の宿帳」でお会いしませんか。
三島署名本 投稿者:管理人  投稿日:10月 1日(火)22時13分13秒

yamanaka様
  献本の処分に就いては、作家の個性が随分と出るようです。先輩、友人から無名の作家に至るまで全てを保存している人、逆に全てを売り払ってしまう人と様々です。スペースの問題も絡んでいるでしょう。佐藤春夫は前者のタイプで階段であろうが玄関であろうが本で溢れかえっていたようです。なにしろ門弟三千人ですから。川端はその中間ぐらいだと思います。井伏鱒二は献本が溜まると定期的に古本屋を呼んで処分しておりました。小生が中河与一の書庫を拝見させて頂いた際の事です。一通り目を通しましてから「文芸文化」「文芸世紀」の同人達の著書は殆どあるにも拘らず三島の著書がただの一冊もない事に気がつきまして、変だなと思い「三島からは本が贈られてこなかったのですか」と問いましたら「三島は最初からずっと本を贈って来てた。兎に角人気があって誰かがすぐに欲しがるものだから、片っ端からあげてしまった」との答えが返ってまいりました。(作品を発表する媒体が極めて少なかった戦時体制下、三島にとっては大恩人であった中河与一に献本が無い筈はないですよね。)
そして、それに続いて「読みたいものがあったら上げるよ」と言って頂きましたので、伊東静雄、永井荷風、萩原朔太郎の献呈署名本を数冊いただいて帰りました。
それにしても中河与一宛の三島の献呈署名本は市場に出てきません、大事にされているのでしょう。
管理人様 投稿者:yamanaka  投稿日:10月 2日(水)04時56分58秒

貴重なお話をありがとうございました。中川与一に直接、しかも書庫でそんな経験をされているとは・・・本当に管理人様は凄いですね。雲の上の話のようです。
春夫、井伏、中川与一・・・やはり作家作家によって、献本の処理はそれぞれ違うのですね。三島はとにかく、その荷風や朔太郎、伊藤静雄も羨ましいです。
人生随筆選集 投稿者:或る女  投稿日:10月 2日(水)20時45分38秒

管理人様
始めまして或る女と申します。以後おみ知りおきくださいませ。いつもHPと、こちらの掲示板を楽しみに拝見させて頂き、勉強しております。

留女様
「人生随筆選集・第二編」は確かに存在いたします。『夫婦愛の創造』と表題が記されております。土田杏村資料として数年前に古書店でもとましたのですが、これ一冊のみで第一編はございませんでした。
大正十五年九月八日発行 171頁 定価70銭
   「目次」
詩と価値とを創造する夫婦・・・土田杏村
恋愛は夫婦愛の序曲・・・・・・松岡譲
禁断の木の実の味・・・・・・・柳原白蓮
夫婦愛について・・・・・・・・武者小路実篤
夫婦と愛情・・・・・・・・・・谷崎精二
愛の触糸・・・・・・・・・・・神近市子
夫婦愛は愛の最醇境・・・・・・内田魯庵
夫婦愛の意味・・・・・・・・・石原純
一等、二等、三等・・・・・・・大泉黒石
SF談義 投稿者:管理人  投稿日:10月 2日(水)21時05分09秒

文庫中毒者様、文庫丸様
当HPでもSF談義をどんどんおやりください。私は門外漢ですが、お二人のやり取りを楽しみにしております。
土田杏村 投稿者:管理人  投稿日:10月 3日(木)01時25分59秒

或る女様
始めまして 土田杏村は小生が親しく付き合いをしておりました、もう既に故人になってしまいましたが上木敏郎さんと言う方がライフワークにしておりました。とても実の在る素晴らしい方でしたので、その仕事の完成を愉しみにしておりました。上木さんは亡くなるまで自費で「土田杏村とその時代」という分厚い雑誌を何冊もお出しになり続けました。近頃、土田杏村を言う人がトンといなくなりましたので、久しぶりに杏村の名を見て思い出しました。
人生随筆選集  投稿者:留女  投稿日:10月 3日(木)20時43分08秒

留女です
或る女様
明確な御回答をいただきまして、有難うございます。 第一編よりも第二編の方が執筆者の顔ぶれを拝見いたしますと面白そうですね。
はたして第三篇はあるのでしょうか。
感謝いたします 投稿者:文庫中毒者  投稿日:10月 3日(木)21時22分59秒

管理人様
どれほどの談義ができますやら、心もとない限りですが、お許しに感謝申し上げます。

文庫丸様
ということですので、何なりと。私も楽しみです。
上木先生 投稿者:或る女  投稿日:10月 3日(木)22時32分36秒

管理人様
上木先生は私の恩師です。土田杏村も当然、上木先生の教えございます。実は私、管理人様とは十数年前に古書会館の前に御座いました喫茶店「世界」で上木先生に紹介を戴きました。その時に「純血の江戸っ子の近代文学研究者だから口は悪いが根は優しい方」と上木先生が仰られました事を鮮明に記憶しております。福田久賀男先生もご同席でした。以後も私が学生の間は何回か矢張り「世界」でお目にかかり、いろいろと教えていただきました。
その後管理人様が『古木鉄太郎全集』をお出しになりました事を先生はたいへんお喜びになられて古木文学を熱くお話くださいました。私も『古木鉄太郎全集』を申し込ませていただき、大事にしております。
以前よりこちらのHPは拝見させて戴いておりまして、「砂子屋」「赤塚」で殆ど確信しておりましたが、先日「ポリタイア」を古木鉄太郎の執筆誌云々の書き込みで全く疑いの余地が無くなりました。本当に思いがけない処の再会です。私は現在、母校の教師をさせて戴いております、恥ずかしながら近代文学を担当しております。どうか更なる御指導のほど宜しくお願い申し上げます。
SF雑誌 投稿者:文庫丸  投稿日:10月 3日(木)22時36分30秒

文庫中毒者様
管理人様のお言葉に甘えて、まず雑誌からおうかがいします。 「おめがくらぶ」の雑誌「Science FantasyΩ」についてですが、創刊号しか持っていません。そもそも、この雑誌は何号まで出ているのでしょうか?また渡辺啓助は何号に書いていますか?お教えください。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月 4日(金)00時38分42秒

或る女様
お名前と杏村で察しがついておりました。だから上木さんを出してみたのです。 お久しぶりですね。どうぞお手柔らかに。


文庫中毒者様
文庫丸様
知らない分野や弱い分野については、大変勉強になりますので大歓迎ですよ。いつぞやの辛口へんてこ親父(管理人としては、あれはあれで結構面白かったのですが、何しろ下品が過ぎましたからね)は多分死んだでしょうから、邪魔はしないでしょう。 
SF雑誌について 投稿者:文庫中毒者  投稿日:10月 4日(金)19時11分55秒

文庫丸様
 何なりと、と申し上げておきながら早速お詫び申し上げなくてはなりません。
 私のSF好きもすべてにわたってというわけではなく、非常に偏っておりまして、SF談義できる範囲も限られます。ご質問の雑誌はファンジン・同人誌系と思いますが、私は、そのあたりは全く存じ上げておりません。なにしろ、かの「宇宙塵」さえほとんど所有していないうえに、日本SF大会にさえ一回も参加したことがないという有様です。その昔、藤沢にあった、「SFあどー」(SFアジテイター同盟、夢枕獏氏がそのころ関係していた)に知り合いがいて、しばらくの間、ガリ刷りの会誌を送っていただいた程度ですので、この分野や、マイナーな日本人作家、ヤングアダルト向けのものは、ほとんどダメです。ご期待に添えなくて申し訳なく思います。ただご質問の件については少し調べてみます。
 現在目指しているのは、早川銀背やソノラマ海外シリーズ、サンリオSFの完揃え(いずれもあと1冊)です。早川銀背の次の目標は、各版揃え、函入り揃えですが、ゴールに向けて亀のごとき歩みを続けています。  ところで逆に質問があるのですが、早川の世界SF全集はお持ちですか。これには初版と再版がありますが、どちらにも月報があったのかどうかご存知でしょうか。
世界SF全集 投稿者:文庫丸  投稿日:10月 4日(金)23時03分47秒

文庫中毒者様
マニアックな質問で失礼いたしました。ずっと未解決なものですから。「宇宙塵」は87冊まで集めましたが道のりは険しいです。
さて、「世界SF全集」は2年前に全冊初版で集め終わりました。もちろん、月報がついています。再版は集めていないので数は見ていないのですが、月報は元々ついていなかったのではないでしょうか?根拠はないですが。 それとサンリオSF。私は残り2冊です。1冊は文庫中毒者さんと同じではないですか????
またいろいろと教えてください。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月 5日(土)03時40分59秒

玉乃井雪様
新興芸術派叢書の一冊、吉行エイスケ「女百貨店」の中に『張作霖の死ぬ迄』と言う短編が収められている事を不図、思い出しました。とても短い作品ですが参考になるかもしれませんよ。

文庫中毒者様
思い出したと言えば戦後もそれほど前ではない頃に「大塚甲山」の遺稿集?だったと思いますが二冊組みで棟方装があります。形態は雑誌の様でした。甲山の地元から出たものと、おぼろげながら記憶しているのですが、その辺は極めて不確かです。 
大塚甲山 投稿者:文庫中毒者  投稿日:10月 5日(土)10時00分38秒

管理人様
 ご教示ありがとうございます。「大塚甲山遺稿集」(二冊組)は、志功装丁のようです。古書通の牧野氏報告には漏れていますが、神奈川県立近代文学館のデーターベースで知ることができ、講談社の志功全集第一集には書影が掲載されています。ネット等で探索していますがまだ未入手です。
 ところで、志功装丁本は、戦前ではぐろりあ・そさえて発行の叢書が、あまりにも有名ですが、この出版社の昭和16年ごろに、「ぐろりあ文庫」と銘打ったシリーズものがでています。これも志功装丁なのですが、すべて同一装丁のうえ、一見志功らしくない地味なものです。他の本の巻末案内に「ぐろりあ文庫」の近刊・続刊案内がでており、幅広い分野の本が並んでいます。その近刊予定のうち、早川著「農と農村文化」、保田著「文芸と民族」、佐藤著「掬水譚」、長田著「新劇の黎明」を入手しましたが、関敬吾著「昔話」は、刊行されているでしょうか。また別の資料でみると影山著「古事記要講」はこのシリーズで出ているようですが(未入手)、これ以外に続刊とされている中で刊行されたものは存在するのでしょうか。もしご存知でしたらお教え願えませんでしょうか。

文庫丸様
 私も5・6年前に「世界SF全集」は揃えたのですが、安い買い物だったため、初版、再版混ざりで月報が全くなかったのです。
 この全集には特別の思い入れがありまして、高校生の頃、学校図書館の図書購入選定委員を務めていて、この全集の購入を強く申し入れ、実現させたのがSFにのめりこむきっかけになりました。その時、図書登録に際して捨てられる運命の月報だけは貰い受け、25年以上保管していました。そこでこれを組み合わせようと思ったのですが、初版はともかく再版に組み合わせてよいものかどうか迷っているものですから、お尋ねしたのです。神保町でSFの品揃えの良いお店で尋ねても分りませんでした。
 投稿者:文庫丸  投稿日:10月 5日(土)11時02分29秒

文庫中毒者様
ところで、「帯」にはどの程度こだわっていらっしゃいますか?私はできれば帯付きと思い、でも難しいので「世界SF全集」も「ソノラマ海外シリーズ」も帯なしでも我慢することにしています。
文庫中毒者さんはソノラマも帯び付き完揃いをめざしていますか?
「昔話」 投稿者:管理人  投稿日:10月 5日(土)18時48分33秒

文庫中毒者様
関敬吾著「昔話」は刊行されております。しかし近刊予告にあります他の本は記憶にありません。 どこかで見かけましたらご報告させていただきます。
元SFマニア 投稿者:本とは?  投稿日:10月 6日(日)00時57分20秒

文庫丸様
小生20数年前迄SF物を精力的に収集していましたが、現在ほとんど興味をなくしてしまい、 目録でその昔漏らした物(入手できなかったもの)が出たときに注文を入れる程度です。1年に1度あるかどうかです。サンリオもソノラマも興味を失った後に出てきたものなので、収集の対象外で、それぞれ10冊程もってだけです。
 その昔の乏しい記憶では、「科学小説」は2号で終わったとおもいます。私も創刊号をもっています。(折り目1つない、恐らく開かれたことのない復刻本かと思える美本)2号は銀色の金属装の様な表紙であるということが何かに書いてあり、20数年探しておりましたが、最近目録にひょっこり出てきたものの値段の高さにただ驚くばかりで、購入の意欲なくしてしまいました。
「宇宙塵」を収集されているようですが、付録5点(冊子3冊、チラシ1点、写真1点)の入手が難しいと思います。
雑誌の値段 投稿者:文庫丸  投稿日:10月 6日(日)10時13分22秒

本とは?様
いろいろと教えていただきありがとうございました。
本当に単行本と比べて雑誌は高いので参ってしまいます。SF倶楽部あたりでも結構なお値段がしますから。 それでも「科学小説」の2号はいつか手に入れたいと思います。
私はSFものと探偵推理ものの二股なのがいけないのでしょうか?どうもどちらも中途半端な気がします。
「暁と夕の詩」のこと 投稿者:立原道造が好き  投稿日:10月 6日(日)17時57分48秒

はじめまして。
私は、立原道造の詩をこよなく愛する者です。
わずか2冊のオリジナル詩集は高価なものですが、ようやく先年、念願の第2詩集「暁と夕の詩」を購入しました。 この本は、既に復刻も出ていて、それは持っています。 しかしやはり味わいが本物は全然違いますね。 ところで、この詩集についてわからないことが2つあります。 ご存知の方のご教示を仰ぎたいと願います。
1 復刻には帯が付いていますが、古書目録などでも見たことがありません。 どなたか帯の所在をご存知でしょうか。
2 「暁と夕の詩」の特製版について、異装などに関して、立原道造記念館に聞いてもよくわからないとのことでした。 この特製版は復刻には2種類とありますが、どなたかこの件についてご存知ではありませんか。
以上について、少しでも情報がありましたらよろしくお願い申し上げます。
立原の件 投稿者:管理人  投稿日:10月 6日(日)19時34分41秒

立原道造が好き様
はじめまして。
お尋ねの件について、1は川島幸希氏の『署名本の世界』という本に高村光太郎宛の『暁と夕の詩』の帯付が出ており、帯の詳細にも触れてあります。
2については、恐らく人魚の嘆き様が一番お詳しいと思いますので、よろしくお願いいたします。
Re.文庫丸様 投稿者:本とは?  投稿日:10月 7日(月)01時10分54秒

物を集めるという事は時間とお金との勝負だとおもいます。私が挫折した本に星新一の改装総革本数点があります。ここ20年以上市場に出たということを聞きません。蛇足ですが俵万智の「サラダ記念日」にも総革本があります。関係者に配布した1枚革を表紙にしたものが10数部あるとの事。その外に著者・製本者用2部本があるそうですがこれらも未だ目録に出た事がないようです。
探求書の1つです。 私の失敗の原因は、焦点を絞らずあれこれ手を広げすぎた事にあるようです。1ポイントで頂点を目指すのがいいかもしれません。性格ですから人に言うのもおこがましいのですが、私はいまだにあれこれです。ここ何日かは入手したての竹西寛子「兵隊宿」原稿を手元において至福な時間を過ごしています。
三島の総革本 投稿者:春の雪  投稿日:10月 7日(月)10時48分57秒

話題になっている総革本といえば、三島にもそういう本が何冊かあるそうです。多分出てきたことがないと思います。もっとも僕の浅い知識と情報の中ですが。
初めまして 投稿者:萬嘯廬  投稿日:10月 7日(月)20時37分42秒

管理人様初めまして。
わたくしのごとき素人が跨ぐに高い敷居を少しだけ跨がせていただきます。 御教示願えれば幸と存じます。
大正から昭和初年辺りに三田文学界隈で何かと物議を醸したと思われます 倉田啓明に一本に纏まった作品はどれ程存在するのでしょうか。 わたくしの残薄な知識では小説が一冊と戯曲集が一冊、それと小野清子の筆名にて 書かれた物以外全て雑誌に掲載されたもののみのようです。
管理人様の蔵書にはございますか。
先週の土曜日、神田の某古書肆にて管理人様らしき方をお見受けいたしました。
勿論、突然話しかけるような毛の生えた心臓は持ち合わせておりませんが。 土曜日以来、金策が頭痛の種となっております。
帯について 投稿者:文庫中毒者  投稿日:10月 7日(月)21時17分29秒

文庫丸様
SF関係文庫本については、最初から帯にこだわった集め方はしておりません。まずは並以上の状態で一揃えを目指し、集まったうえで次に帯付きに進むかどうかその時の熱意で決めております。

管理人様
関敬吾著「昔話」の件ありがとうございました。引き続き探してみます。
感激してます 投稿者:立原道造が好き  投稿日:10月 7日(月)21時46分56秒

管理人様
立原道造記念館でも容易に分からないことが、こんなに早く分かろうとは。 ちょっと興奮気味です。
「署名本の世界」は、親しい古書店主に聞いたところ、数年前に出たばかりなのに大変珍しく、しかも高額だということなので、国会図書館で見てきます。 特製版については、人魚の嘆き様のお返事を待ちます。 どうぞよろしくお願いします。
あきっぽくて・・・ 投稿者:文庫丸  投稿日:10月 8日(火)09時20分49秒

本とは?様
私は時間は比較的あるのですが、お金はどうも・・・それと収集家に必須の根気が足りません。少し集まりが悪いと、すぐに他に目移りしてしまいます。これも性分だから仕方ないですよね。 星新一の総革装本の話ははじめて知りました。ありがとうございました。

文庫中毒者様
帯について全く同感です。帯付きと書いてある目録で注文して、ボロボロの帯なんていうこともありますし。帯代だけ返してもらいたい気分になります。
『暁と夕の詩』 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月 8日(火)19時48分02秒

立原道造が好き様
『暁と夕の詩』の特製(奥付がなく、特製という表記は本にはありません。広告ではA版です)は、表紙に紺と灰色の2種類があります。どちらが何部かは不明ですが、両方で15部なのはご存知の通りです。
これ以外に、私のところにある立原家旧蔵の「特製」は、表紙の意匠がどちらとも異なります。恐らく特別な装丁で一般的なものではないでしょう。 なお、私の灰色表紙本は署名と限定番号が入っておりますが、これも特別な本かもしれません。少なくとも、他に限定番号入りは未見です。ちなみに、古書市場には最近20年間で3冊出てきました。 以上ご参考になれば幸いです。
収集家の行く末は 投稿者:本とは?  投稿日:10月 8日(火)23時55分31秒

文庫丸様
時間もお金もない私は今年も本の購入費は限りなく0に近いです。今年下半期入手の目玉3点(全て初版)は「悪魔全書」「魔法医師ニコラ」(カバー付き)「child of fortune(寵児)」(カバー・帯付き、津島佑子及び訳者両者署名入り)です。全てロハでした。工夫次第でお金がなくとも収集は出来ると思います。SF・推理文庫本は200冊以上本年タダで入手しました。頑張ってください。
驚くばかりです 投稿者:立原道造が好き  投稿日:10月 9日(水)13時33分03秒

人魚の嘆き様
「暁と夕の詩」の特製というかA版について、早速お教えくださり、本当にありがとうございました。 それにしても、A版を2冊、しかも立原家旧蔵と署名限定番号入りという大珍本を、2冊もお持ちとは!いやはや恐れ入りました。 このBBSは、人魚の嘆き様と管理人様という日本有数の近代文学コレクターが、二人も競演されていらっしゃるのですね。 なんとも贅沢の極みです。 これからも、立原についていろいろと教えてください。
ありがとうございました。
倉田啓明 投稿者:管理人  投稿日:10月 9日(水)23時11分08秒

萬嘯廬様
以前、ここに書き込みましたが、もう故人になられましたが新劇俳優の松本克平さんが倉田啓明にとても興味を抱かれておりまして、小生も雑誌の掲載作品を何点かお渡し致しましたが、倉田啓明に単行本があることは全く存じませんでした。そして小野清子云々も勿論初耳です。 差し支えがございませんでしたら、倉田啓明と小野清子の本の詳細と小野清子の筆名を倉田啓明とする根拠を御教示戴けませんか。 当然、萬嘯廬様の御質問に対する返答は「お手上げ」です。
舌足らずで申し訳ありません 投稿者:萬嘯廬  投稿日:10月10日(木)01時01分38秒

管理人様
管理人様のような方に御教示などと言われてしまってはキーボードを打つ手が震えます。 わたくしも当然倉田啓明の単行本などお目にかかった事もなく、 「小野清子の筆名を倉田啓明とする根拠」と言える程のものもないのです。
ネットのような公の場に実名を出してよいものやらわたくしには判断出来兼ねますので 実名を伏せる事は諒としていただきたいのですが 以前京都の某出版社に問い合わせたところ、「読者の方々の情報に拠りますと・・・」 という前書きであのような回答書翰をいただきました。 具体的な書名までは不明との事でした。 このH.Pを御覧の方々ならすぐに判る出版社です。 わたくしはこの出版社の仕事を信頼し、また畏敬もしております故情報も確かと信じていただけの事なのです。
また、数年前神田のAという古書肆が倉田啓明を幾つか纏めて仕入れたとの 情報を得まして、直接訊きに行きましたところ「単行本2冊と雑誌が何冊かで*百万円 と附けたんですよ」と言われました。 わたくしはこの古書肆と懇意にしているわけではありませんので、それ以上の詳しい事は教えてもらえませんでした、まあ当然といえば当然です。 しかし管理人様のお話を読みますと、それは松本克平さんの蔵書ではなかったかと想像されて来ます。 その松本克平さんに掲載雑誌を手渡された管理人様が「お手上げ」と仰有るのですからわたくしの情報の信憑性も怪しい気がいたします。
わたくしが調べた範囲だけでも松本克平さん以上に倉田啓明の情報を持っている方は存じません。 何かとまことしやかな噂が先行する物書きですから怪しげな情報も多いのかも知れません。
御回答ありがとうございました。
倉田啓明 投稿者:yamanaka  投稿日:10月10日(木)02時24分08秒

話題となっております倉田啓明についてですが、以前、谷崎の未発表戯曲発見として騒がれた「誘惑女神」(「中央公論」昭60・11)が、後から実は倉田の偽作であったということが指摘され、一時期ちょっと興味を持ったことがあり、偶々幾つかの情報がございます。その時人から教えていただいた情報などを少し書きますと、管理人様の仰るように、松本克平氏が「古書通信」(平2・3〜5)に、「漁書余録〜革命劇とソドミー」と題してこのことをおっかけています。その記事に、倉田「栄子の死」春江堂、大10、11頃刊、小野清子名義「本朝王昭君」大10刊、倉田「地獄へ堕ちし人々」春江堂、大正期刊行?、がでていますが、これは当時春江堂に小僧として働いており啓明にも面識のあった、後の櫻井書店の社長桜井氏の証言で、自身探求書であったとのこと。他に添田知道のやっていた雑誌「素面」(昭44・11)に、桜井氏は「奈落の作家〜倉田啓明のこと」という文章を発表されているそうです。残念ながら、桜井氏は既に故人となられています。
「雑巾先生」発見 投稿者:ビブリオファージ  投稿日:10月10日(木)13時00分40秒

はじめまして
yahooで「雑巾先生」を検索しましたところ、貴HPの過去ログに行き着き、興味深く拝読させて頂きました。実はその「雑巾先生」を発見、入手したのですが、超稀少本と知り、仰天しております。みすぼらしい小さな本なのですが。
ところで入手したこの本ですが、もとは図書館に在ったもので「南満州鉄道株式会社巡回書庫」の大きな印が押されており、裏表紙の内側に貸し出し記録カードとそのカードを入れる袋が貼り付けられてあります。また背の下の方にラベルが貼ってあります。普通、印とかラベルは古書の価値を下げるものですが、この場合はどうなのでしょうか。これらはまさにこの本が満州の地に在ったという証明であるのですが。
なお、ガセネタと思われる方も多いと思いますので書いておきます。 私は古本屋で、来年4月の全連大市(京都)にこの「雑巾先生」を出品するつもりです。古書組合加入の業者の方なら会場で手にとってご覧いただけます。乞御期待
追記:この「雑巾先生」は康徳12年2月5日発行の初版です。外観はほんの少しヨゴレていますが、中はきれいです。なお、貸し出し記録カードを見ると一度も貸し出されていません。
RE:「雑巾先生」発見 投稿者:賞物小僧  投稿日:10月10日(木)13時32分52秒

管理人様
その昔、「雑巾先生」についてお尋ねした賞物小僧です。大変ご無沙汰しております。投稿はしていませんが毎日必ずここに来ています。

ビブリオファージ様
遠く満州から流れた「雑巾先生」の情報をありがとうございました。是非手に入れたい一冊ですので出品よろしくお願いいたします。ところで、書かれているラベルなどの価格面での評価はどのようなものか私も気になります。どなたかお教えください。
木山さん捷平さん 投稿者:しげひこ  投稿日:10月10日(木)19時33分11秒

一時期木山捷平に凝っていろいろ集めました。「感恩集」で検索してこのHPにたどり着きましたが、8/28の記事はもうありませんでした。「感恩集」のどんな話題だったのでしょうか。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月10日(木)21時29分00秒

萬嘯廬様
yamanaka様
克平さんのその記事の事はすっかり失念しておりました。yamanaka様フォロー戴きまして有り難うございます。
克平さんが亡くなって蔵書は全てA日書林の古書目録で販売され、残りを神田の市場に出しましたから萬嘯廬様の御推測は正しいかも知れません。ただ何十万円も付いた物は一つもありませんでしたから、余程の珍本とはいえその本屋さんちょっと捻り過ぎじゃないでしょうか。

本とは?様
お金を遣わずに本を収集する方法を知りたがっているのは小生ばかりではないと存じますので、どうか内緒で教えて下さい。

ビブリオファージ様
「雑巾先生」の入手秘話を差し支え無き程度で結構でございますので御披露戴けませんか。
「南満州鉄道株式会社巡回書庫」の蔵書がどの様な経緯で日本に渡ってきたのか、とても興味深いものがあります。

しげひこ様
HPの木山捷平の項で「メクラとチンバ」と「感恩集」の二冊が行方不明なので、それらが出て来次第張り付けますので、もう暫くお待ち下さい。という内容です。だから「感恩集」の内容については全く言及しておりません。
テレビ出演 投稿者:天女の舞い  投稿日:10月10日(木)22時27分12秒

人魚の嘆き様
昨日、夕方のテレビのニュースを見ていましたら、突然、人魚の嘆き様のインタビューが始まり驚愕いたしました。古書店でお目にかかったばかりなので、とても親近感を覚えてしまいました。それにしてもご多忙のご様子。くれぐれもご自愛くださいませ。
ただで本を手に入れる 投稿者:本とは?  投稿日:10月10日(木)23時34分17秒

管理人様
私の場合はさて置き、知り合いの2人の例を挙げますと、お1人は或る製本所に勤めておりそこででる正規の物でない所謂異装本ができると家に持ち帰るといっております。別の方はA(ここまでで勘弁してください)という会社の役員と知り合いで、月に1回呼ばれて家に遊びに行くと帰りは必ず、欲しいだけ本を持って帰って構わないといわれるそうです。毎回、ダンボール1箱程貰ってきて、きれいな本だけ残しあとは近所の古本屋に持っていきお金に換えているそうです。(本を美醜で判断して価値が判っているのかと思いつつも)この話を聞かされた時、今度行く時一緒に連れていってくれ!と、思わず叫んでいました。これらに比べれば私の場合はみみっちいものです。今年前半入手し、古書価の判るもの「潮騒」初版カバー元パラ帯付録付き、多分珍しいだろうと思うもの「男魂歌」カバー・パラ付き昭46年でしょうか。古書価はないでしょうが、台湾で出版された日本人作家の小説集は、興味を引くものです。「夏流」(丸山健二)、(大庭奈美子)ママ、(陳舜臣)等が収録されています。
古書価と蔵書印など 投稿者:管理人  投稿日:10月11日(金)09時36分18秒

ビブリオファージ様
賞物小僧様
古書市場で無名人の蔵書印、書き入れなどがマイナス材料となり、入札の封筒にそれが明記していないと落札後値引きの対象になるのは、ビブリオファージ様がよくご存知の通りです。
問題はそうした物に逆にプレミアムが付く場合でしょう。その典型例は勿論著者の署名です。難しいのは例えば著者に献呈を受けた人の蔵書印などで、これは単に本を買って印鑑を捺したのとは意味が違うはずですが、献呈されたのが無名人の場合はマイナスとされるケースが多いようです。
ビブリオファージ様の「雑巾先生」について言えば、満州で出版された本に相応しい様々な図書館仕様の痕跡は満州物に関心のある小生などには大変興味深く、いささかも古書の評価を下げるものではありません。しかし単なる芥川賞本コレクターは、当然巷間言われるところの美本を望みます。そして、彼ら及び古書業者が主たる入札者になることを勘案すれば、残念乍ら背のラベルや裏表紙の図書カードなどは値を下げる要因になると思料します。 ただなにしろ本が「雑巾先生」ですから、他の本のようにそれが致命的な欠陥になることは絶対にないでしょう。例えば芥川の「羅生門」にそれらが付いていたら、半値以下になることも十分有り得ますが、「雑巾先生」程の珍本であれば多少の欠点に拘泥しては永遠に入手不可になりますから。 過去の所蔵者の痕跡を忌み嫌うのであれば古書など求めなければよいのであり、まして珍本であればそんなものは度外視して考えるべきだ、というのが私見であります。

天女の舞い様
それは見逃しました。残念です。 もっとも、彼の言うことはおおよそ見当が付きますが。

本とは?様
小生も今度一緒に役員氏の下へ連れて行ってください。 ありがとうございました。
(無題) 投稿者:ビブリオファージ  投稿日:10月11日(金)10時04分18秒

管理人様
「雑巾先生」発見譚を今は書けません。特に全連大市前に出品者が推測されるかもしれないようなことは避けたいと思います。悪しからずご容赦下さい。 といってそれでは新参者のとる態度ではありませんので少しだけ書きます。 出久根達郎著「たとえばの楽しみ」という本に「雑巾先生」のことが少し出ています。その中に「熱心なコレクターは日中友好協会に頼み、中国各地の図書館に照会した。しかしむだであった」との記述があります。熱心なコレクターはたぶん私の発見したような本を探したのだろうと思います。「雑巾先生」に限らず満州にあった主に満鉄の図書館の膨大な蔵書がその後どうなったか。それが私のここ十年来の関心事です。
『暁と夕の詩』について 投稿者:立原家代理人  投稿日:10月11日(金)15時59分22秒

立原道造が好き様
人魚の嘆き様
立原道造記念館で行った調査(立原の記述確認、原本調査、所蔵者への聞き取り等)を基に、現在までに判明していることをお知らせいたします。
『暁と夕の詩』A版(特装本)は、広告では15部となっていますが、贈呈リスト(一部推定で作成)から考えまして、実際は15部より多いと推定されています。
表紙は、現在、灰色(2種)、深緑色、ベージュがかった黄色、小豆色を確認しています。紺色は未見です。
本文紙は、洋紙と手漉和紙の2種類が確認されています。 帯は、付いているものといないものがあります。保管中に紛失したことも考えられますので、全てに付いていた可能性もあります。 奥付はありません。従って、「A版(特装本)」という呼称や発行所等は、立原の記述、献呈署名、B版の奥付、広告等から推定して書誌を作成しています。

人魚の嘆き様
『暁と夕の詩』10月 8日(火)19時48分02秒投稿について
<灰色表紙本は署名と限定番号が入っております>というのは、上記の<立原家旧蔵>本なのでしょうか?
<立原家旧蔵>本の献呈先および限定番号も併せて、お教えいただければ幸いに存じます。
<古書市場には最近20年間で3冊出てきました。>というのは、『暁と夕の詩』A版(特装本)を指しているのでしょうか?
※記念館にご連絡いただければ、私のアドレス等がわかりますので、お手数でもご教示方よろしくお願い申し上げます。
 電話03-5684-8786/FAX03-5684-8660
http://www.orchid.co.jp/~tatihara/tatihara.htm
『暁と夕の詩』について 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月11日(金)18時02分47秒

立原家代理人様
まず『暁と夕の詩』A版についてご教示ありがとうございました。特に表紙の色について、黄色は私は未見でした(これについて、前回所蔵本とやや混同した記述をしましたが、より正確には、灰色及び複製されている深緑が後述する古書市場に出てきました。もう1冊は「小豆色」とされるものと思われますが、褪色が激しくそう判定しがたい本でした)。
さて、お問い合わせの件に関して、この場をお借りして回答申し上げます。

1.「灰色表紙本」は立原家旧蔵本ではありません。また、この本は立原道造という「署名のみ」入っており、献呈本ではないです。そして限定番号は7番で、扉の裏に署名と対向して入れられています。
2.「立原家旧蔵本」は、立原の研究でも著名な詩人のTS氏がパステル画と共に貰ったもので、薄い紺の表紙で帯が付いています。表紙は全て同色で、深緑本のようなコーナーと背の白色部分がありません。また署名もないです。
3.20年間で3冊出たのは、その通り『暁と夕の詩』A版です。色は先ほど記したとおりであります。
以上、ご参考になれば幸いです。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月11日(金)18時06分20秒

ビブリオファージ様
無理なお願いを致しましてあい済みません。今後とも興味深き本の話題を提供下さいませ。
小生もありとあらゆるコネを使って中国に残されている文学資料に触手を伸ばした一員でございます。その結果、大連の高官の尽力で雑誌を五十冊程入手致しましたが、とても高いものにつきました。

立原家代理人様
HPを初めて拝見させて頂きました。リンクをさせて戴いて宜しいものか伺いたく存じ上げます。お手数ですが御返答下さいませ、お待ちしております。
続『暁と夕の詩』について 投稿者:立原家代理人  投稿日:10月11日(金)21時00分33秒

人魚の嘆き様
早速にお返事をいただきありがとうございました。
表紙の色につきましては、麥書房の新訂覆原版では「ベージュがかった黄色」とされていますが、「濃いめの生成色」が、時を経て汚れと黄ばみで変色した可能性もあります。
「限定番号は7番」は、確かに立原の自筆でしょうか?
立原没後、ご母堂または弟の達夫氏によって書かれた可能性は考えられませんでしょうか。
もし自筆なら、寄贈本とは別に、販売するためのA版を制作し、番号を付けて販売したとも考えられますが、少々無理があるようにも思われます。 なぜなら、『萱草に寄す』の「寄贈予定者メモ」を参考にして、立原が第7番目を献呈したと思われる<範囲>に入る方々を推定し、それらの寄贈本(現存するもののみ確認)を拝見しますと、献呈先と署名が同じ頁に、毛筆や黒インク書で認められており、限定番号は記されていないからです。
立原家では、立原没後、自室に残っていた『暁と夕の詩』を、関係者に差し上げたり販売したとうかがいました。
それらの本には、献呈先がなく、署名だけのもの、また、署名すらないものもあったそうです。
私も、そのうちの何冊かは拝見しております。 「TS氏がパステル画と共に貰ったもの」は、立原没後、立原家からいただいたものではないでしょうか?
現物を拝見しないままの推論のため、誤りがありましたら申し訳なく存じます。
なお、現在、記念館では、立原自筆の設計図とともに、『萱草に寄す』特装[異装]本(表紙は灰色)と、『暁と夕の詩』A版の特装[和]本(表紙は小豆色)を展示しております。 お時間がございましたら、ご覧ください。
また、今後ともご教示いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
RE:続『暁と夕の詩』について 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月11日(金)22時37分56秒

立原家代理人様
まず、限定番号は「7」と手書きで書かれているだけですので、誰の筆跡かは判然としません。ただ、これを立原没後に遺族がわざわざ作ったと考える方が不自然ではないでしょうか。他の死後販売本・配り本に限定番号はないのだから、一冊にだけ遺族が限定番号を付す意味がないと思います。憶測の域を超えませんが、立原が実験的に作ったものと現在は考えています。
TS氏が貰った本は、ご推察の通り戦後譲られたものです。先ほど現物を改めて確認しましたが、極美の保存状態ですので、表紙が元から紺系の色であったのは確実です。
蛇足ですが、『暁と夕の詩』のB版の高村光太郎、小林秀雄、中村真一郎宛献呈本が手元にありますが、中村宛は「中村真一郎君」と書かれています。勿論後輩だからでしょうけれども、立原の献呈本で「君」は珍しいですね。 『萱草に寄す』についてもいろいろと興味深い書誌的な発見をしましたので、いずれどこかで発表したいと考えています。 ご発展をお祈りいたします。
H.P.のリンクよろしく 投稿者:立原道造記念館  投稿日:10月11日(金)23時59分00秒

管理人様
立原道造記念館のホームページは、素人が四苦八苦して運営しておりますため、 お見苦しい所も多々あると存じます。とは言いながらも、皆様にご覧いただけることが、何よりの励みとなりますので、 今後ともよろしくお引き立てのほどお願い申し上げます。
http://www.orchid.co.jp/~tatihara/tatihara.htm
Re:H.P.のリンクよろしく 投稿者:管理人  投稿日:10月12日(土)00時22分51秒

立原道造記念館様
リンクを貼らせて頂きましたので御確認下さいませ。こちらこそ今後とも宜しくお願い申し上げます。
勉強になりました 投稿者:立原道造が好き  投稿日:10月12日(土)06時30分49秒

立原家代理人様
お書きになったことは、とても勉強になりました。 ありがとうございました。

人魚の嘆き様
「暁と夕の詩」A版2冊もすごいですが、B版3冊もすごいですね。 しかも超一流の宛名ばかり。まったく恐れ入りました。 「萱草に寄す」についても、新発見されたことの発表を楽しみにしております。
立原道造 投稿者:ヒヤシンス  投稿日:10月12日(土)16時55分59秒

管理人様
人魚の嘆き様
立原道造記念館様
初めましてヒヤシンスと申します。
殆ど毎日の様に拝見し、勉強させて戴いておりますが、書き込みは初めてです。実はこちらの人魚の嘆き様による『暁と夕の詩』の記述を立原道造記念館様にお知らせ致しましたのは私です。お二方に意見の交換をして戴けたら相当レベルの高い次元のお話が伺えるのではと思いましたものですから、お騒がせ致しました事を深くお詫び申し上げます。しかしながら予想を遥かに超える勉強をする事ができました。有り難うございました。
これからもどうか宜しく御指導のほどお願い申し上げます。
Re.立原道造 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月12日(土)18時38分00秒

ヒヤシンス様
お騒がせ等と、とんでも御座居ません。私の未見である『暁と夕の詩』の存在が確認出来ただけでも、大きな収穫でした。感謝申し上げます。

管理人様、皆々様
PCに不具合が生じた様でこれから修理に持って参ります。もしも私に御用件がございましたならば、取り敢えず書き込んで置いて下さいませ。PC復帰次第、御返答させて戴きます。
『正統文學』 投稿者:或る女  投稿日:10月13日(日)11時49分36秒

管理人様
このところの「倉田啓明」「雑巾先生」「立原道造」等の古書談義ではとてもよい勉強をさせて戴き有り難く存じております。また書誌の奥深さを改めて実感させられました。
ところで『正統文學』の編輯及び発行人・淺沼悦なる人物は稲門系の雑誌にしばしば作品を発表しておりますが、淺沼悦太郎と同一人物ではと推測しております。如何なものでしょうか? 御意見をお聞かせ下さいませ。
楽しいです 投稿者:  投稿日:10月13日(日)18時36分04秒

管理人様
東です。
随分といろいろな方の書き込みが増えましたね。これも管理人さんの人望です。これからも楽しく拝見させていただきます。
淺沼悦 投稿者:管理人  投稿日:10月14日(月)00時41分55秒

或る女様
仰せの通り「淺沼悦」は三宅島より早稲田に学んだ淺沼悦太郎が学生時代より使っていたペンネームです。太宰治、川崎長太郎等が淺沼悦太郎の招きで三宅島へ行った事は浅見淵「昭和文壇側面史」に詳しい記述がございます。また田畑修一郎は淺沼を頼って単独で三宅に渡り長期間、滞在し幾つかの作品を書いて『石ころ路』に収録しました。 淺沼悦太郎には三宅島の歴史の本はありますが文学作品の単行本はありません。
続、淺沼悦 投稿者:或る女  投稿日:10月15日(火)21時16分38秒

管理人様
早速の御回答有り難うございます。早稲田のK先生の著書『雑誌探索』朝日書林刊に拠りますと『信天翁』の淺沼悦は『青空』同人とありますが、『青空』にも参加していたのでしょうか? 重ねての質問で申し訳有りません。
Re.続、淺沼悦 投稿者:管理人  投稿日:10月15日(火)23時43分00秒

或る女様
『雑誌探索』は小生も戴きました。その記述の誤りすぐに気付きました事を鮮明に記憶しております。どうやら『青空』同人の「淺沼喜美」と「淺沼悦」を混同してしまった様です。稲門より『青空』に参加致しましたのは『青空』同人の中谷孝雄と同郷で中学が同級の「稲森宗太郎」只一人です。
淺沼悦  投稿者:或る女  投稿日:10月16日(水)20時10分22秒

管理人様
それで説明がつきました。もしや「淺沼悦」と「淺沼喜美」が同一人物ではとも思っておりました。有難う御座いました。

葉書 投稿者:YT生  投稿日:10月18日(金)01時06分46秒

先日、古書店にて葉書の束を入手致しました。その中の一枚は藤浦洸が松沢太平と言う人に昭和四年に宛てた葉書でした。その文中に「ようやく萩原朔太郎氏よりの原稿が届いたので急ぎ編集に着手いたす所存ですので近々に伺います」とあります。
二週間かけていろいろ調べてもみましたし、その方面に詳しそうな方々にも聞いてみましたが皆目、見当がつかぬとの返答が返って来てしまうばかりです。何方かこれだけのヒントですが、思い当たらないでしょうか?
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月18日(金)21時05分11秒

或る女様
本日、確認のために『雑誌探索』を繰ってみましたら、貴女様が仰ったのは『信天翁』ではなく『光線』だった事に気づきました。小生もうっかりしておりました。『信天翁』は稲門の雑誌ではありませんので、何かの勘違いだったのではと存じます。

YT生様
昭和四年当時、藤浦洸、松沢太平は共に馬込の住民でした。彼らの編集で雑誌を出したのは「尾崎士郎」以外には考えられません。従って昭和四年四月に創刊された『没落時代』と特定しても差し支えないと思います。それを更に裏付ける材料として、萩原朔太郎の評論『ヒロイズム文学の本質感』が掲載されております。因みに士郎も朔太郎も馬込におりました。
この『没落時代』は他号の確認が出来ておりませんので二号以下をご覧になりましたら教えていただきたく存じます。
『没落時代』 投稿者:YT生  投稿日:10月19日(土)00時54分46秒

管理人様
ご教示有難う御座います。それにしてもあの様な曖昧な判じ物じみた、問い合わせで解ってしまうなんて、驚きました。その『没落時代』なのですが近代文学大辞典にも近文の雑誌目録にも大宅壮一文庫目録にも記載がありません。是非「稀少雑誌」に公開して戴きたく思います。
『光線』 投稿者:或る女  投稿日:10月19日(土)03時52分45秒

管理人様
そうです。『光線』です。書き込む直前に『信天翁』を検索していたものですから間違えて書き込んでしまったようです。申し訳御座いません。
RE.YT生様 投稿者:管理人  投稿日:10月20日(日)15時29分27秒

YT生様
判りました。近々『没落時代』をアップ致します。
立原の原稿 投稿者:ヒヤシンス  投稿日:10月20日(日)21時00分14秒

立原道造記念館様
人魚の嘆き様
かなり前の話ですが、明治古典会の七夕市で立原の「かろやかな翼の風の歌」という詩の原稿がでたことがありました。それまで見た立原の原稿は、いずれも一枚とか二枚でしたが、五十枚以上あったことが印象に残っています。この原稿は今どこにあるのでしょうか?ご存知でしたら是非教えてください。
「蒼ぼう」の帯 投稿者:賞物小僧  投稿日:10月21日(月)13時42分51秒

第一回芥川賞の石川達三の「蒼ぼう」には帯が付いているのでしょうか?まだ見たことがありません。どなたか教えてください。
Re:立原の原稿 投稿者:立原道造記念館  投稿日:10月21日(月)15時59分39秒

この原稿は、その後も何回か目録に登場しております。
ただ、古書市場に出た原稿につきましては、「所蔵者等の落札情報は公表しないこと」が原則と理解しておりますため、 記念館といたしましては、何も申し上げられません。
お役に立てずに申し訳ございませんでした。
PS.Re:立原の原稿 投稿者:立原道造記念館  投稿日:10月21日(月)16時04分36秒

原稿の題名は「かろやかな翼ある風の歌」です。
無題 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月21日(月)16時51分03秒

ヒヤシンス様
「立原道造記念館」様の書かれた「麗しき」原則は、既に厚顔無恥なる古書業者自らが反故同然にしましたので、「かろやかな翼ある風の歌」の原稿について私の良識の範囲で最新情報をお知らせいたします。 平成5年の「七夕市」に出品されたこの原稿は、M井書店が2500万円近い価格で落札し、注文者の個人客のもとに渡りました。その後、同書店の目録掲載を経て、何度か古書市場に出ましたが商いが成立しませんでした。しかしようやく、つい先日の古書市で、近代文学を扱う某有名古書店が約700万円で落札しました。この先については、伏せさせていただきます。
私も立原の詩稿は全集未載のものを含めて数枚持っておりますが、いかに業界用語でいう「目垢」がつきすぎたとはいえ、これだけの優品が三分の一以下の価格に下落したのは寂しい思いがしました。

賞物小僧様
「芥川賞」と印刷の入った細い帯が付いています。
Re:無題 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月21日(月)17時44分15秒

ヒヤシンス様
700は500の間違いです。失礼いたしました。従って、五分の一になりますね。
『没落時代』 投稿者:YT生  投稿日:10月21日(月)21時06分51秒

管理人様
リクエストにお応え戴きまして有難う御座います。『没落時代』を早速拝見いたしました。
この素晴らしいラインナップでたった一号きりというのは勿体無い気がいたします。
処で問題の藤浦洸、松沢太平は目次にはありませんが、どこかに登場しているのでしょうか?
落札情報 投稿者:ヒヤシンス  投稿日:10月21日(月)21時39分16秒

立原道造記念館様
人魚の嘆き様
早速に情報をいただき感謝申し上げます。特に、人魚の嘆き様の比類なき情報力には、ただただ脱帽いたします。
ところで、古書市場での落札情報の扱いについて、人魚の嘆き様に現状とお考えをうかがいたく存じます。
サンリオ完全制覇! 投稿者:文庫丸  投稿日:10月21日(月)22時15分13秒

文庫中毒者様
本日、サンリオ文庫をめでたく完全制覇いたしました!苦労が報われて喜びもひとしおです。うれしさのあまり、ご報告させていただきました。
『没落時代』  投稿者:管理人  投稿日:10月21日(月)23時20分17秒

YT生様
『没落時代』の編集後記には尾崎士郎、松沢太平、藤浦洸がそれぞれの思いを綴っております。
尾崎の後記から抜粋致します。
「編集その他大部分の仕事は、主として松沢、藤浦両氏の努力を煩わせた。・・・・」
松沢は
「雑誌編集の経験が少しばかりあったため余計のおせっかいをして編集事務を引き受けたが、結果は矢張りおせっかいに終わったらしい。・・・・」
藤浦は
「初号の大役を引き受けた。形のなかったものを形にする事は可なり困難なことだった。それに御本人の尾崎氏が種々な多忙な生活だったので・・・・」
以上です。
RE:落札情報 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月22日(火)10時17分22秒

ヒヤシンス様
「落札情報」については、その入札会の形態によって取り扱いが変わってきます。例えば、サザビーズやクリスティーズのような公開オークションの場合、落札者と落札価格は始めから公知のものとなります。ただし業者が入札を代行したり、電話入札の場合は、実際の注文者はすぐにはわかりません。
日本の古書市場は公開入札ではないので、業者以外には落札者も落札価格も知らせないのが建前です。しかし実際には、客にも親しい業者からこれらの情報は筒抜けになりますし、それは既に暗黙の了解事項と言えましょう。 問題はその先、すなわち落札した業者が収めた先の情報についてです。これに関しては洋の東西を問わず、注文者が自らその事実を公表するのは自由ですが、納入業者が明かすのは商人の道に反する行為とされています。欧米では、注文者の同意なしにこれを明かした業者は信用を失墜し、顧客を失うことになるでしょう。
日本でも、かつてはこれが常識でした。しかし十数年前から、複数の業者がこの商人道に反して注文者を洩らすようになったのです。しかも、それを印刷物にも記載する外道まで登場する始末。今では優品であれば、誰が買ったのかも知ることは容易になりました。
言うまでもなく、個人であれ公的機関であれ、自分が買ったことを公表するかどうかはそれぞれの専決事項であり、それを踏みにじる行為は許されるものではありません。従って私は先の記載でも、立原の原稿の旧所蔵者の個人名はもちろんのこと、目録に自ら掲載した公知の業者名すら一部伏せました。当然、現所有者についてもです。最低限、この程度の良識は持ってほしいものだと思っています。
完集 投稿者:文庫中毒者  投稿日:10月22日(火)20時25分04秒

文庫丸様
サンリオ完集おめでとうございます。私自身は、書棚を確認しましたところ、あと2冊です。あまりお金を掛けたくないので、時間を掛けてゴールしたいと思っております。別のところで記しましたが、先日ようやくSFマガジンを完集したところです。
南方探偵局 投稿者:未練堂  投稿日:10月22日(火)22時36分56秒

はじめまして未練堂と申します。
さて、以前あるネットオークションに耶止説夫の「南方探偵局」という本が出たのですが、この本は探偵小説なのでしょうか?そして再版だったのですが、初版はあるのでしょうか?どなたか教えてください。
同感です 投稿者:ヒヤシンス  投稿日:10月22日(火)23時30分04秒

人魚の嘆き様
お考えにまったく同感です。いろいろと教えていただきありがとうございます。
Re.南方探偵局  投稿者:管理人  投稿日:10月23日(水)00時28分38秒

未練堂様
「南方探偵局」は探偵小説です。耶止説夫(八切止夫)は康徳10年(昭和18年)前後に満州で大東亜出版局なる、たった一人の出版社を拵えて、お粗末な仙花紙本の探偵小説を粗製濫造しました。新京や奉天の露天に山積みにして売っていたそうです。早稲田系の作家が小生が満州文学に興味があるという事でダンボールに五つ送ってくれた事がありましたが、その中に耶止説夫の探偵小説が二冊と大阪圭吉「人間燈台」という、これも探偵小説でしたが入っておりました。なんでも日本に帰ってくる船の中で読むのに安いし、軽いからということでした。私は探偵小説は読みませんので、それらを好む方に差し上げてしまいましたが。さて、初版があるかということですが、この方面にとても詳しい方に聞いたところに拠りますと多分ありません。いかにも売れているかのごとき出版だと思います。しかも、その上、落丁、乱丁、逆綴のオンパレードであり終始一貫して読める本に当たれば幸運という有様のひどい出版だったそうです。
「南方探偵局」そう珍しい本ではありません。三ヶ月前ほどの関西の古書目録に5000円で出ていましたし、ネットオークションにも出たそうですし、つい先週の神田の市場にも出品されたようです。
再び 投稿者:未練堂  投稿日:10月23日(水)10時54分44秒

管理人様
この掲示板を拝見していて、「なんでこんなに早く、なんでも返事が帰ってくるのだろう」と思っていましたが、自分のことでもそれがあてはまり、うれしいです。
さて、改めてふたつうかがいます。ひとつは耶止のもう一冊の探偵小説のタイトルを教えてください。もうひとつは、5000円で目録に出ていたということですが、オークションでは120000円でした。どちらが実態ですか?市場ではいくらぐらいだったのでしょう?
よろしくお願い申し上げます。
講義も始まり・・・ 投稿者:旧三島党  投稿日:10月23日(水)18時19分25秒

yamanaka様
ご無沙汰しております。
大学の講義も始まり、何かとばたばたしておりました。その後、三島文献ご収集の方はいかがですか。
小生は来週東京に出かける用がありますので、できれば時間を見つけて神田の古本祭りにも足を運びたいと思います。 錦華公園(でしたか・・・)での古書市を懐かしく思い出します。良い本が安く手に入った時代でした。
SFマガジン 投稿者:文庫丸  投稿日:10月23日(水)19時31分14秒

文庫中毒者様
SFマガジンおめでとうございます。しかし、サンリオSFもそうですが、いざ揃うと嬉しい反面、なんだか淋しい気持ちにもなるものですね。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月23日(水)21時00分31秒

未練堂様
耶止のもう一冊の探偵小説は「長崎丸船長」という書名と記憶しておりますが、不確かです。
何度も繰り返して述べておりますことですが「南方探偵局」に限らず、古書の価格の形成には様々なる要素が絡んでまいります。一般的な要因の一つは言うまでもなく需給関係です。私が一番面白いと思えるのは、古書店の見識による価格の違いです。そして更に経験の差や在庫の有無も関係して参ります。例えば神保町のT村書店の場合は開高健は嫌いだから「裸の王様」と「フイッシュオン」の鮭皮装の特製しか扱わないし、生田耕作の本は同じ理由で、兎に角早く売ってしまいたいから安く店頭に並べます。私が大分前にどこかの古本屋の店頭でなんとなく買って書棚に挿しておいた本を、それに詳しい人が見て「これは物凄く珍しい本だ」と言っても、「へぇ、そうなの」と思うだけで、その本をずっと持っていた本人にとってはぜんぜん珍しい本ではないのです。なまじの経験が自惚れを潜ませているので、初めて見る本は珍しいと錯覚してしまう訳です。業者には素人以上にありがちな事です。 先のオークションはその典型だと思います。そして負けず嫌いの意地っ張りが何人かいた結果でしょう。因みに「南方探偵局」の市場での落札価格は8万円前後ときいております、が、高くなったからといって、それを持っている人が次回に出したりすると極端に安くなってしまう性格の本だと思います。 以上、私見を述べてみました。
生田耕作旧蔵本の末路など 投稿者:三代目  投稿日:10月23日(水)21時09分26秒

お久しぶりです。早稲田の古本屋三代目です。
さて、先日の神田の業者市に「生田耕作旧蔵洋書」が出品されました。荷主は京都のA書房ですが、驚くばかりのゴミの山。A書房が持っていたとは思えませんから委託出品なのでしょう。よくこんなものを後生大切に持っていたものと呆れました。当然、札はまったく入らずすべてボウー商い不成立という哀れな結果となりました。
また今週の市場には、某氏の滞貨一掃初版本一口がでます。こちらは玉石ありますがゴミではないので、少しはきたいできるかもしれませんね。また
荒木経惟の写真集 投稿者:吉岡慎太郎  投稿日:10月24日(木)00時31分25秒

管理人様
初めてこちらに参りました、京都府在住の吉岡と申します。知人からこのBBSを聞き、あらゆる古書に造詣の深い管理人様に、ご相談したいことがあります。
実は、私の義父は今年の夏に亡くなったのですが、その遺品の中に高名な写真家の荒木経惟氏の写真集セットがありました。写真集といってもコピーによって作られた物です。恐らく、コピー機がまだ珍しかった時代の物でしょう。全部で25冊です。 義父は広告代理店の電通に勤務していて、昭和45年頃、やはり電通のカメラマンであったという荒木氏と親しかったそうです。その頃もらった物らしく、荒木氏のサインも入っています。内容は様々ですが、万博の写真など、今日、過激な印象を受ける荒木氏にしては、まだ大人しい作品なのかもしれません。ともかく紙も粗悪ですから、普通に見れば、とても見栄えのするものではありません。ただ義父は大事にしていたようで、荒木氏がマスコミに登場すると、この写真集の話をよく家族にしました。彼が有名になるとは思ってもいなかったそうです。
義父の死後、私の手元に残ったわけですが、正直言ってこのての物に興味が全くございません。果たして価値のある物なのでしょうか?管理人様からどなたかご入用の方にお渡しいただいてもよろしいでしょうか?大事にしていただける方がいらっしゃれば、義父も喜ぶと思うのです。不躾なご相談ですが、捨てるには惜しい気も致しますし、さりとて持っていたいとも思いませんので、そのあたりをご理解の上、よろしくご指導お願い申し上げます。
鏡花原稿 投稿者:谷口  投稿日:10月24日(木)00時39分44秒

しばしば拝見させて戴いてはおりますが、書き込みは久し振りです。
人魚の嘆き様
いつぞやは『両国の秋』についてお教えいただき有難う御座いました。 村松定孝がかいている、『高野聖』の原型とされる『白鬼女物語』の原稿は現在どこにあるのですか?
また、この作品は未発表という事でしたが、何らかの形で読める様になったのでしょうか?
以上、二点の質問をさせて下さい。
旧三島党様 投稿者:yamanaka  投稿日:10月24日(木)00時40分02秒

こちらこそご無沙汰しております。三島の方は、いろいろとコレクターの方からの御協力もあり、集まってはいるものの、やはりないものはなく、・・・という状況です。以前教えていただいたボディビル愛好会についても謎のまま・・・古本祭り、私も楽しみにしております。旧三島党様の時代と比べるべくもないでしょうが、当日会場でどんな拾い物が出来るかいまからわくわくしております。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月24日(木)05時42分47秒

三代目様
他の業者も「ゴミ処理場と間違えてんじゃねーか、古新聞ならまだ使い道もあるけど」といっておりました。相当にひどいものだったらしいですね。

吉岡慎太郎様
暫し考える時間を下さい。
アラーキー 投稿者:グレノリ  投稿日:10月24日(木)13時00分45秒

吉岡様管理人様
グレノリです。
吉岡様のお書きになったアラーキーの写真帳は「ゼロックス写真帖」という25巻の限定70部の作品集で、ファンの間では幻の写真集として有名なものです。私もアラーキーを少しやっていますがもちろん見たことがありません。 是非欲しいといいたいところですが、知り合いの古本屋は出てきたら300万円でも買いたいといっていたほどですからそうは申しません。文字通りのお宝ですよ。
御礼 投稿者:未練堂  投稿日:10月24日(木)13時18分45秒

管理人様
ご高説うかがいまして、すごく納得しています。白状いたしますとオークションに途中まで入札していました。高くなりすぎてついて行けなくなったので降りましたが変な意地を張らなくて良かったと思っています。ありがとうございました。
無題 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月24日(木)16時24分29秒

谷口様
「白鬼女物語」については、以前「三田国文」で松村氏(村松ではありません)の論文を見たことがありますが、原稿の所在は存じ上げません。未定稿で全集にも掲載されていないから、論文の引用で読むのが一番早いのかもしれません。どなたかご教示願います。
『白鬼女物語』 投稿者:谷口    投稿日:10月24日(木)22時00分19秒

人魚の嘆き様
毎度、厄介な問い合わせにご丁寧にご返答いただきましてありがとうございます。 人魚の嘆き様にもお分かりにならない事があると知って、少しだけ親しみが湧きました。
失言、ご無礼のほど。
RE:白鬼女物語 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月24日(木)23時59分40秒

谷口様
「白鬼女物語」の原稿は、昭和39年にこれが発見された金沢の目細家が、現在も所蔵者であるようです。
なお、私にもわからないことがあるどころか、わからないことの方が遥かに多いのが実際のところです。しかもわからないことの多くは、わかろうとする努力もしていないと言えましょう。今回の件も、谷口様のお尋ねがなければ、「白鬼女物語」の原稿の所在など一生知らなかったと思います。 「そんなこと別に知らなくてもよいではないか」と言われればそれまでですが、泉鏡花は興味ある作家の一人ですから、私としては勉強の機会を与えていただき、こちらこそ感謝申し上げます。
白鬼女物語 補足 投稿者:管理人  投稿日:10月25日(金)03時37分31秒

谷口様
村松定孝は『国文学』第三巻第八号に「昭和三十一年に発見された」と記しております。もっとも発見されたのが昭和三十一年であろうと昭和三十九年だろうと問題にしても始まりませんが。

グレノリ様
アラーキー情報有難うございます。以前、明冶古典会の七夕市に出品された記憶があるのですが 目録を廃棄してしまったので調べられませんでした。高額の落札価格だったと思います。
訂正など 投稿者:管理人  投稿日:10月25日(金)09時16分59秒

谷口様
人魚の嘆き様
やはり三十九年でした。人魚の嘆き様が正しかったことになりますね。訂正いたします。

吉岡慎太郎様
グレノリ様の書かれた通り、貴重かつ高額な物ですから、大切に家宝とされることをお勧めします。
ご存知ですか? 投稿者:天女の舞い  投稿日:10月25日(金)10時16分48秒

旧三島党様と同様に、大学での講義が始まりバタバタとしております。 管理人様
神田古本祭りの特選市の目録に、管理人様ご収集の「南方書院本」でHP未記載の本が出ております。ご存知ですか?まずは書名・著者名・掲載店は控えます。

人魚の嘆き様
貴方様のような強記博覧の方にして実に謙虚なお言葉。お人柄が良く表れていて感動いたしました。そういう方だからこそ、あらゆる珍本が自然と人魚の嘆き様の元へ集まってくるのでしょうね。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月25日(金)11時23分40秒

天女の舞い様
お知らせ戴きまして有難うございます。それにしても、よくご存知ですね特選市の目録でその書名をご覧になって「南方書院本」と判る方はそうはいらっしゃいませんよ。あの目録のあの本屋の値段は完全に常軌を逸してますね、単に欲が深いだけで商売になるとしたら、この不況下では奇蹟ですよ。デフレを換算いたしますとバブル時の三倍の価格設定でしょうね。唯我独尊、天下無敵、他の追随を許さず、永久保存・・・なんだかXXの嘆きのキーワードと同じようですね。
処でご指摘の本はそれほど珍しい本ではありません。殆どの方が関心を示さないだけだと思います。小生は多分二三冊は所有している筈ですが倉庫のダンボール箱にいれてしまってあるので探すのが厄介なため横着しております、そのうちに出てまいりましたら記載いたします。耶止説夫の処でも記しましたが専門的知識が豊富な人ほど初めて出会う本を前にして「ど素人」になってしまうのです。
Re.今東光 投稿者:管理人    投稿日:10月26日(土)22時02分18秒

天女の舞い様
『入間川』は雑誌で読んだ記憶があります。ちょいと小粋な小説だったと思います。 今すぐには思い出せませんが、明日から旅に出ますので旅先で憶い出し、帰京してから調べてみます。

小仏様
初めまして、大仏は全く存じ上げませんので悪しからず。
何方かご存知の方、書き込んでください。
立原宛の本 投稿者:立原道造が好き  投稿日:10月27日(日)12時21分42秒

人魚の嘆き様ヒヤシンス様立原道造記念館様
立原道造自身、なかなかの詩歌集のコレクターであったようですね。 彼の蔵書の死後の売りたて目録を見たことがあり、その充実振りに感心したものです
。 ところでこの売り立てによって売られてしまった本の中で、蔵書印などから現在でも立原の旧蔵書だとわかるものもあるのでしょうか? 立原宛の署名があれば間違いないのでしょうけれど、そういう本も存在するのでしょうか?
お教えくださいませ。
残念ですが・・・・ 投稿者:ヒヤシンス 投稿日:10月27日(日)15時13分24秒

立原道造が好き様
残念ながら、立原売り立て本の行方はまったく存じません。後のお二人によろしくお願いいたします。
回答 投稿者:大衆王 投稿日:10月27日(日)19時22分57秒

管理人様
大衆物一筋に20年間収集しております。BBSはずっと拝見していました。これから時折書き込みをお許しください。

小仏様
『日本人オイン』の外装はハコ、装釘は羽石弘志です。『日本の星之助』の外装はカバー、装釘は伊藤幾久造です。
RE:立原宛の本 投稿者:人魚の嘆き 投稿日:10月27日(日)21時08分59秒

立原道造が好き様
立原宛の献呈本は過去に何回か古書市場に現れたことがあり、私もその中の2冊を所有しています。いずれも蔵書印は捺されていません。
もう一冊、立原の書き入れとサインのある本が手元にありますが、こちらも蔵書印はなしです。
立原旧蔵書売り立てに関しては、複数の人々の証言が残されているものの、その本の現在の所在について私はこれ以外の知識を持っておりません。恐らく立原道造記念館様がより詳細にご存知のことでしょう。
大仏の本 投稿者:管理人 投稿日:10月28日(月)01時11分53秒

大衆王様
初めまして、書き込み有り難うございます。此の分野ではなにかと御教示戴く事が多いと存知ますので今後ともよろしくお願い申し上げます。
遅くなり失礼しました 投稿者:賞物小僧  投稿日:10月28日(月)09時34分40秒

人魚の嘆き様
大変御礼が遅くなり失礼いたしました。「蒼ぼう」の件、やはり帯があったのですね。ありがとうございました。これからも何かとよろしくお願いいたします。
文庫・新書大放出 投稿者:管理人 投稿日:10月28日(月)13時33分07秒

文庫中毒者様
文庫丸様
文庫中毒者様のご同郷の文庫・新書の大コレクターの死去に伴い、T村書店で本日から旧蔵の文庫・新書本がどれもすべて一冊100円で放出されています。今後、古本祭りの期間中も、いやそれ以降も暫くは続くことでしょう。恐らく総数は4〜5万冊に達すると思われます。 放出の順番は定かではありませんが、お二人のご関心の深いSF物もどんな本でも100円ですから、こんなチャンスは滅多にないことは必定。売れた順にどしどし追加を出すとのことなので、休暇を取って終日店頭で粘ったら如何ですか。
はじめまして。 投稿者:cogito  投稿日:10月28日(月)21時23分53秒

 皆様こんばんは。はじめまして。昭和初期の抒情詩人達を追っかけまはしてゐるホームページからやって参りました。まことに畏れ多いことでしたが、このたびリンクを張らせて頂きます御礼の御挨拶に参りました。刊行数の少ないことが当たり前の詩集の世界は、未だ判らないことが多くて、戦前に限っても書誌さへ満足にはまとめられてゐないのが実情かと存じます。管理人様、人魚の嘆き様ほか、みなさまの御教示を賜りながらHP充実の資に充てたく(と云ってもいつも皆様のやりとりを口をあけて見てるだけなのですが)何卒よろしくお力添へのほどをお願ひ申し上げます
文庫本 投稿者:文庫中毒者  投稿日:10月28日(月)21時45分05秒

管理人様
本当ですか!4〜5万冊とは、桁違いのコレクションです。T書店の店頭は、よく利用させていただいており、面白いものが並んでいたりすると、時間をおいて、3・4回もしゃがみこむことがあります。ぜひ行きたいものですが、実現できますかどうか。それにしても、我が郷土の在住か、あるいは出身者でそんな方がいらっしゃるとは思いもよりませんでした。何はともあれ、情報をありがとうございます。
Re.はじめまして 投稿者:管理人  投稿日:10月29日(火)00時56分32秒

cogito様
こちらこそ、どうぞ宜しくお願い申し上げます。 仰る通り詩集は実証的にやろうとすると本、或いは雑誌の入手に難しいものがあって大変な作業となりそうですね。先日の立原のやりとりを見ましても、一冊の詩集ですら全容の解明に至っていない様ですから。 人魚の嘆き様にどしどし難問をお寄せ下さい。
Re:立原宛の本 投稿者:立原道造記念館  投稿日:10月29日(火)04時31分11秒

立原道造が好き様
私が調査した限りでは、立原は、「蔵書印」としての決まった印を持っていなかったようですが、旧蔵書の一部には、サインや愛用した「道造匠舎」印が押されています。なお、この印は、一部の書簡や作品にも使用されています。 ちなみに、愛蔵書であった『即興詩人』には、古書店での購入日とサインおよび「道造匠舎」印が押されています。
この『即興詩人』は、佐藤實著『立原道造ノート』(1979年 教育出版センター)の口絵写真で紹介されています。
「故立原道造藏書陳列會」は、1940年6月2日に文藝会館(当時の住所は、麹町区永田町二ノ一)で開催されました。
『故立原道造藏書陳列會案内』は、16頁の小冊子(縦15.6×横11.7 )で、堀辰雄・杉浦明平連名の5項目からなる前書に続けて、「詩集」「鴎外著書」「其他」「雑誌」に分類された売立本のリストが掲載されています。 全容は、『立原道造全集 第6巻』(1973年 角川書店)を参照ください。
売立会に行かれた方々から私がうかがった話では、立原のご友人や『四季』の同人など多くの方々が参集され、追悼会の趣があったとのことです。
アサイさんなど立原と特に親しかった方には、堀辰雄さんがその方にあう本を選んで差し上げていたともうかがいました。 この時の様子は、堀多恵子、杉浦明平、小堀杏奴、福永武彦等の方々が著作の中で記しています。
また、中里恒子さんは、その時求めた『阿蘭陀更紗木版畫』の図柄を著書の装幀に使われました。
以下少し長くなりますが、ご参考までに、会の事務を担当した杉浦氏の文章の一部を引用します。
杉浦明平著「立原道造の蔵書 その一」
一九七三年刊『立原道造全集・第六巻― 雑纂』の六五六ページに「故立原道造蔵書陳列会案内」が載っている。立原がなくなって全集を出すために、故人の蔵書を売って、全集の資金をつくり出そうというわけで、堀辰雄さんを中心に、立原の蔵書を整理してこしらえたごくささやかな目録であった。予約注文その他は、本郷の下宿住まいをしていたわたしが引受けたが、このカタログの書目は堀さんによってきびしく選択された。正直にいえば、この売立てのさい、わたしは立原の蔵書全部を目録にしたいという気持ちだったのに、堀さんはくだらぬ本などリストに載せぬ方がよいという方針だった。(この堀さんの考え方は、この蔵書を売り立てた金を加えて出版された山本書房版『立原道造全集』の編集にも貫かれている。)だから、この蔵書カタログは、きわめて清潔で立原の希求していた文学世界を示しているといってよいとはいえ、やはり、あまりにも堀辰雄の視野の中の立原道造だけを切りとってあるといううらみをまぬがれがたいのではなかろうか。あのときの蔵書をそのまま羅列したら、かえって、立原がどのような明治・大正・昭和文学と触れ合っていて、それから抜け出したか、たずねる若干の糸口にもなったのではなかろうか。 <以下省略>(『文学館』第5号 1984年11月 潮流社 所収)
*註記
『文学館』は第6号で休刊したため、「立原道造の蔵書 その二」は、執筆されませんでした。杉浦氏の類似するエッセイに、「古本の話」(『佐紀』1956年8、9月号)、『明平、歌と人に逢う 昭和戦争時代の青春』(1989年 筑摩書房)等があります。

人魚の嘆き様
「立原宛の献呈本」「立原の書き入れとサインのある本」をご所蔵とのこと。 「立原宛の献呈本」の殆どは、関係者の証言から、売立会に出品されたものと推定されます。
ただし、堀辰雄の立原宛献呈署名を持つ『風立ちぬ』だけは、異なります。 この本は、以下のような運命を辿りました。
立原道造―贈呈―水戸部アサイ―貸与―ある新聞記者―売却―所蔵者不明 本来なら、旧蔵者であるアサイさんのご意志により、記念館に贈呈される予定であった本なのですが、貸した方から戻らず、その方も亡くなりましたので、今となっては手の打ちようもありません。
なお、『風立ちぬ』と併せて、立原署名本『曉と夕の詩』も売却されたそうです。
「立原の書き入れとサインのある本」は、立原自身がどなたかに差し上げたのか、古書店に売却したのか、売立会に出品されたのかは、わかりません。書名がわかればある程度推定できますが・・・。
お許しいただけるならば、原稿や詩集などと併せて拝見させていただければ嬉しいのですが・・・
新全集の編集作業も進んでいますが、ご教示いただきたいことも多々ございますし・・・
ご高配を賜りますようお願いするばかりでございます。
これからもお願いします 投稿者:小仏  投稿日:10月29日(火)11時21分23秒

大衆王様
お返事いただきまして真にありがとうございました。これからもいろいろお聞きしたいことがあります。どうぞよろしくお願いいたします。
夢二本 投稿者:健一  投稿日:10月29日(火)14時01分23秒

管理人様
初めて書き込みます。私は竹久夢二が好きで彼の著書と装釘本を集めております。
さて、現在ヤフーオークションに大量に夢二の本を出している方がいます。「路地の細道」「三味線草」など欲しいものがたくさんあるのですが、最低入札価格も高くどれもまだ買い手が出ていません。 なんでも祖父の本だとかで、買った当時の本屋のレッテルが写真に出てくるのですが、その値段は昔のものであっても相当高額です。 管理人様から見て、最近の夢二本の相場はどんなものでしょうか。具体的にアドバイスをもらえればうれしいのですが。 よろしくお願いします。
(無題) 投稿者:管理人 投稿日:10月29日(火)16時54分10秒

文庫丸様
凄い情熱ですね。小生も責任重大ですのでフォローいたしましょう。ご健闘をお祈り申し上げます。

健一様
はじめまして。
小生は夢二本には関心が薄いので、詳細はオールラウンドプレイヤーの人魚の嘆き様に委ねます。ただ、件の本を売ったN目やN野はバカ値の最たる店ですし、今はデフレで夢二も値崩れしていますから、無理はされないのが賢明でしょう。
愛書家の愚痴!? 投稿者:平民新聞  投稿日:10月29日(火)19時28分20秒

健一様
私も夢二が好きです。
夢二装に関してちょっとしたエピソードがございますので書き込みさせていただきます。
弥生の学芸員が六耀社で『竹久夢二』という本を出しているのですが、 その中で『人形とつまみ細工』という地味な本が夢二装であると図版付きでふれています。 私は以前から1500円ぐらいで購入しましたが、ここ最近値札の帯に「夢二装」と記入し1万円近くの値をつける本屋を数軒みかけました。 また、『祇園歌集』などは6年間ぐらい12万という値段をつけて売れていない本屋もありますので本屋も少しは値段を考えてもらわなければ!
この不景気に需要と供給のバランスを考えない本屋が多すぎます。

三代目様
京都の学者はあくまでも学者ですから、資料としての本もたくさんあるのではないでしょうか。ちなみにA書房だって愛書家なのですから、考えが少々甘いのではないでしょうか。がんばって良い本屋になって下さいな。

管理人様
T書店、確かに文庫は山積みでしたし、人だかりにも驚きました。 愚痴なので読み返さずに思い切り送信してしまいます。お邪魔しました。
古本祭り 投稿者:  投稿日:10月29日(火)23時00分19秒

管理人様
東です。
いよいよ明日から神田古本祭りですね。天気も良さそうだし、私もT村にはせ参じます。ところで、最新の過去ログが見られないのですが、何かあったのでしょうか?
お詫びなど 投稿者:管理人  投稿日:10月30日(水)07時35分27秒

皆様
理由は不明なのですが、過去ログのほとんどが忽然と消えてしまいました。パソコンの不具合なのでしょうか。小生はそれほどパソコンに習熟しているわけではなく、大変困惑しています。

yamanaka様
上記のようなケースに遭遇されたことはありますか。何か対応策があるのかHPの先輩としてアドバイス願います。

健一様
という訳で、一度書いたお返事がなくなってしまいました。お読みになっていないかもしれませんから再度要旨を記すと、夢二はあまり関心がないので詳細は人魚の嘆き様に委ねること、デフレで夢二本も安くなっていること、件のヤフオク出品者が購入したN目、N野はバカ値の両巨頭であること、以上であります。

平民新聞様
需要と供給についてのご意見、全く同感です。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
神保町参上 投稿者:文庫丸  投稿日:10月30日(水)09時50分34秒

PC片手に上京しました。お天気も上場で気分が高揚してきました。 いざ出陣です。
再版は? 投稿者:Bori  投稿日:10月30日(水)11時04分30秒

管理人様
山本夏彦氏が逝去され、あの名コラムがもう読めないかと思うとさびしい限りです。
ところで、氏の処女作とされる「年を経た鰐の話」について、「幻の本・珍本」のコーナーに初版と三版と四版の写真があり、そのいずれも形が違うので驚きました。となると、再版の形に興味が出てまいります。初版と同じかそれとも三版か、はたまた両方とも違うのか、ぜひ教えてください。 それと、やはり初版が一番珍しいのでしょうか?あわせてお尋ねします。
大発見? 投稿者:留女  投稿日:10月30日(水)17時12分07秒

管理人様
健一様
留女です。お久しぶりです。
さて、ヤフーオークションの夢二本の件ですが、今日届いたN目とK山の共同目録で、N目が「露地の細道」の初版と後版をだしていて、その解説がヤフオクの解説と瓜二つなのです。しかも、ヤフオクの品物は昔N目から買ったとあります。さらに、価格もN目が昔売ったのと今出しているのが、前者25万と28万、後者38万と35万と妙に符合しております。
ふしぎな事があるものですね(笑)からくりは明らかですが・・・
年を経た鰐の話 投稿者:管理人  投稿日:10月30日(水)19時18分08秒

Bori様
「年を経た鰐の話」の再版の形態は初版と全く同様で、奥付の日付が異なる事のみが相違点です。初版の項目に再版の奥付も記してありますので、もう一度参照して下さい。
それぞれの発行部数が不明なので確かな事は言えませんが、小生が見た頻度では初版のカバー付きは極端に少ないのではないでしょうか、再版は更に少ないと思われます。
三版、四版はそれらとはまるで比較にならない位、度々、見かけました。殊に戦後の四版は恐らく発行部数がとても多いのではと思います。桜井書店が廃業した時、倉庫に山積みにされていた四版が大量に出回った一時期がありまして、御存じT村書店の翻訳物の棚にはいつでもささっておりました。

留女様
面白い情報有難うございます。その後、蒐書はいかがですか?
「年を経た鰐の話」追記 投稿者:管理人  投稿日:10月30日(水)19時38分36秒

Bori様
「年を経た鰐の話」の頁数に御気づきになられたでしょうか?
初版、再版は同じですが、三版で一頁、四版では、そこから更に一頁少なくなっております。削られたのは孰れもレオポール、ショボオの挿絵ですので、三版、四版は不完全本と言わざるを得ません。出来たら初版、再版の入手をお勧めいたします。
掲示板 投稿者:yamanaka  投稿日:10月30日(水)20時59分14秒

管理人様
どうも最近このteacupの掲示板は、こういうことがたまにあるようです。他の掲示板でもいきなり過去ログが消失するケースをみかけました。管理人様のPCの不具合ではありません。恥ずかしながら私はあまりPCに詳しくないのですが、あるいは消失前のキャッシュで何とかなるかもしれません。対応策としては、こまめに過去ログをテキスト保存するのがよいと存じます。あまりお役に立てず申し訳御座いません。
無題 投稿者:人魚の嘆き  投稿日:10月30日(水)22時33分57秒

健一様
夢二本について、管理人様と平民新聞様と留女様が書かれた後ですから、さして付け加えることはありません。今でも根強い人気があるのは確かですが、デフレを反映しない旧態依然の古書価でも買おうとする人は少ないでしょう。 ただ、以前から稀少な『夢二画集』の完本美本揃いなどが出れば、やはり高くても売れると思います。こういう時代だからこそ、稀少性も保存程度も価格も中途半端なものはダメだということです。

立原道造記念館様
所蔵の立原書入れ本は売り立て目録に掲載されています。勿論、誰かに譲ったか貸した後にもう一冊買ったことも、可能性としては有り得ますね。
さて、所蔵資料の閲覧の件ですが、過去においては可能な限りご要請に応えています。例えば、現在刊行中の中原中也全集では、編集代表の詩人S氏の求めに応じ、資料の写真撮影も応じました。
ただ立原の場合は、某出版社から単行本を刊行することが決まっていて、そこで手持ちの未発表資料を全て初公開する予定なので、ご協力はその後にさせていただければ幸いに存じます。
それと言うまでもないことですが、私は未熟な一コレクターであり、しかも立原は好きな詩人の一人ではあるけれども、コレクションの興味の対象としてはベストテンにも入らない存在なのもまた事実です。従って、恐らく全精力を費やして全集編纂に取り組まれている貴方様の、お力になれるような者では決してありません。
ただ、私は管理人様と同様に徹底した原資料重視の考えで、近代文学の世界でもしばしば見られる推測という名の当て推量は絶対にしませんから、その面のみはどこかでお役に立てる機会があるかもしれません。今後ともよろしくお願いいたします。

cogito様
HP拝見しました。「詩集目録」の完成を楽しみにしております。
探します 投稿者:Bori  投稿日:10月31日(木)08時25分27秒

管理人様
Boriです。
早速のご返事ありがとうございました。
今では3版や4版もかなり珍しくなってきました。しかし、これらが内容的にも初版に劣ることはよくわかりましたので、カバーなしでもいいから初版か再版を探してみます。見つかったら一番に管理人様にご報告申し上げます。
無題 投稿者:管理人  投稿日:10月31日(木)10時20分42秒

yamanaka様
アドバイスありがとうございます。何しろ小生はPCに至って不慣れなため、悪戦苦闘の連続です。これからもよろしくお願い申し上げます。

Bori様
吉報をお待ちいたします。

人魚の嘆き様
「初版本講義」上梓されたようですね。おめでとうございます。帰京してから読むのが楽しみです。
残念です 投稿者:天女の舞い  投稿日:10月31日(木)16時08分28秒

管理人様
知の宝庫とも言えるこのBBSの過去ログが見られなくなったのは、痛恨の極みでございます。管理人様が少しでもバックアップをされていらしたことを心から願います。
Re:無題 投稿者:立原道造記念館  投稿日:10月31日(木)16時58分03秒

人魚の嘆き様
記念館では、売立目録掲載本の行方は、殆ど把握しておりません。 戦禍を逃れて現在まで残されたものはどのくらいあるのかなど、時間ができましたら網羅的な調査を行いたいとの願望がありますが、なかなか難しい作業と思われます。また、関係者のご遺族からの情報も、立原の著作本ではない故に、得にくい状況にもありますが・・・。 前に出版されたご著書は、情報の遅れもあって入手することができませんでしたので、ご準備中の単行書を心待ちにいたしております。 刊行後で結構ですので、ご所蔵の立原関係の本や原稿などを拝見させていただければ幸いに存じます。
私の方こそ、道造ファンの成れの果ての未熟者で、別に本業を持つ二足の草鞋状況でもあり、S氏のように専任で雇われてもおりませんので、編纂作業も牛歩にならざるを得ません。人魚の嘆き様のような先達のご教示を仰がなければならないことばかりですので、今後ともよろしくお願いいたします。 なお、筑摩書房から刊行する予定の新全集は、角川版の現行全集を基本にしておりますが、可能なかぎり原典調査を行い、遺稿の制作年代の推定などもやりなおしております。また、作品に重きをおいた編集方針で作業を進めておりますため、刊行中の中也全集のように詳細な解題・編註は付かないものとなるでしょう。読者へ提供するのは「作品」そのものであって、解釈はご自由にという方針で行きたいと思っております。
過去ログ少々 + 「人間群」捜索願い 投稿者:JIN  投稿日:10月31日(木)19時04分58秒

管理人様
初めまして。ここのBBSはいつも愛読させて頂いています。 過去ログが消えてしまったとのことで、当方のキャッシュに あった分だけでもお送り差し上げようと思ったのですが、 アドレスが分かりませんでしたので、こちらに書いておきます。 8/27-8/29 と 9/21-10/16 の分があります。 (残りの部分は残念ながら欠けです) 中途半端で恐縮ですが、 もしご入り用でしたら標記JIN宛てに御連絡下さい。

皆様
せっかくなので、少しジャンルがずれるかもしれませんが 便乗で質問させて下さい。当方、大正15年頃の「人間群」 という雑誌を所蔵している図書館を探しています。 (もちろん個人で購入できればなお嬉しいのですが) ご存じの方がいらっしゃいましたらぜひ御教授願います。 この雑誌はダダ・アナーキズム系の同人誌と思われます。 「S書林日録」によればこの雑誌に橋本健吉(北園克衛)の小説掲載 とのこと。「薔薇・魔術・学説」の復刻版付録では北園克衛が 「大正15年頃に人間という雑誌に小説を書いた」と言っており、 これが「人間群」であろうと推測しています。 また、同じ時期の「野獣群」という雑誌(こちらは近代文学館所蔵) にも橋本健吉の小説があるのですが、この二つの雑誌は何となく 関係あるのではないかと思っています。この辺りの事情ももし ご存じの方がいらっしゃいましたら同じく御教授お願いします。
(無題) 投稿者:管理人  投稿日:10月31日(木)20時52分51秒

JIN 様
過去ログの件、有り難きお申し出、感謝にたえません。ただ今は旅先ですので、帰京致しましたら、消失分を確認し、改めて御連絡させて戴きます。
扠、「人間群」なる雑誌ですが、小生は未見です。一時期、辻潤とその周辺に主眼を置いておりましたので、その系統の雑誌は片っ端から買い捲ったのですが、未だに出会えない物も沢山あります。他にお探しの雑誌はありますか?
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