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Salon de 書癡 過去ログ 2002 4月


久しぶりです投稿者:YT生 投稿日:4月 5日(金)23時25分17秒

みすず書房からの「岩本素白」を読みまして、格調の高さに驚かされました。
矢張り高き教養から生まれ出でたるものとそうでない物の差は歴然としているものですね。
砂子屋書房本の中の「山居俗情」を是が非にでも入手いたしたきものと思います。
その他の著作に就いてご教示賜りたく存じます。
珍本のところの「水枕」及び「村田春海詩集」どちらも早稲田の天才、そして早逝ですね、初めて観ました。
大きなため息をついております。


(無題)投稿者:管理人 投稿日:4月 6日(土)09時00分42秒

YT生様
小生も素白は大好きです。あの滋味あふるる文章は、乱れた精神を沈静してくれます。
「山居俗情」が最初ですが、これは砂子屋でも例外的でして二百五十部しか出ておりません、
山崎剛平は日誌の中に素白の控えめな人柄を「印税は不要でしかも百部は自分で買うという、全て逆なり」と記しています。
これ程に体裁と中身が見事に調和した本は稀だと思いますので、気長に原本を探してください。
次に昭和十八年まで飛びまして「日本文学の写実精神」これも名著です、そして戦後の「素白集」(二十二年)生前はこの三冊でおしまいです。
その後「素白随筆」「岩本素白全集」全三巻が出ております。
「水枕」及び「村田春海詩集」に関しましては、どれだけの方が関心を示すのかとても興味深かったのです。
さすがですね。


岬にての物語投稿者:春の雪 投稿日:4月 6日(土)21時32分18秒

yamanaka様
龍生書林の目録が三島特集で、その中に「岬にての物語」が15万円で出ていました。
背中は汚いようですが、お買い得ではないでしょうか?貯金をはたいてさらに借金して買おうか迷っています。
そこでうかがいたいのですが、最近この本は出てくるのでしょうか?15万円は安くありませんか?
借金しても買う価値があるでしょうか?アドバイスお待ちしています。


素白投稿者:bori 投稿日:4月 6日(土)23時24分19秒

YT生様
私も、みすずの素白読みまして同様の感想を持ち、これまた等しく「山居俗情」の元版が欲しくてたまりません。

管理人様
午前中に管理人様の書き込みを見るや、何軒かの古本屋を聞いて回りましたら、矢張り素白を何でもよいから欲しいと言う人が何人か来たそうです、
というわけで「素白随筆」も「岩本素白全集」も空振りでした。


(無題)投稿者:yamanaka 投稿日:4月 6日(土)23時44分51秒

春の雪様
龍生がまた三島特集をやっているのですか、それさえも知りませんでした。
この本自体は、ないわけではないようで、ここ数年(同じモノかもしれませんが)七夕やら「あきつ」の目録などで見かけました。
しかし15万円が借金しても買い得かどうかは人により判断が分かれるところでしょう。
しかし痛んでいても取り敢えず入手したい、というのでしたら、そうそう都合よく痛本が安くでるわけでもなし、よいと思いますが、が、しかし、恐らくこの時点で既に売れている・・・と思われます。


(無題)投稿者:管理人 投稿日:4月 7日(日)00時23分49秒

bori様
「素白随筆」や「岩本素白全集」は此処かしこで見かけられた本だったのですが、驚きです。
併しみすず書房も時代に逆行するような、この様な出版をするとは見直しました。

yamanaka様
いつも貴重な意見を有難うございます


恐れ入りました投稿者:春の雪 投稿日:4月13日(土)22時24分11秒

yamanaka様
報告が遅れましたが、「岬にての物語」は確かに売り切れていました。よくわかるものですね。恐れ入りました。今後もよろしくお願いいたします。


佐々三雄投稿者: 投稿日:4月14日(日)22時50分10秒

管理人様
浅見淵その他の評論家が佐々三雄をとても高く評価しておりますが『献身』はそう簡単に入手出来そうにありません、
と言う事になりますと、佐々三雄の作品を読むには何をあたれば良いのでしょうか。
又、他の作品集、単行本はあるのでしょうか是非、御教示願います。


佐々三雄投稿者:管理人 投稿日:4月15日(月)00時00分20秒

春の雪様
「岬にての物語」は残念でしたね、次回はyamanaka様の御意見を参考に素早い決断が出来ると存じます。

東様
佐々三雄の単行本は『献身』が唯一です。
『献身』に収録の短篇は殆どが「早稲田文学」に発表された作なので、それを当たれば作品に触れる事はそう難しくありません。
他にも戦後すぐの文芸雑誌に散見できます。
御存知とは存じますが赤塚書房には浅見淵の推挽に依る処の出版が多く、従って、才能が在りながらも不幸にしてその作品が未だに本になっていない作家、或いは著書の少ない作家達を積極的に取り上げております。
古木鐵太郎は「子の死と別れた妻」が生前では唯一の作品集でありますし、光田文雄も「南の海」が唯一の著書です。
浅見淵の貴重なる業績は砂子屋書房に留まらず、ここでもその功績を充分残し、戦後の石原慎太郎や五木寛之等の新人発掘に繋がります。


赤塚本投稿者:大塚 投稿日:4月17日(水)17時58分44秒

どれも珍しい赤塚本入手の秘話を是非お聞かせ下さい。


(無題)投稿者:管理人 投稿日:4月18日(木)15時20分29秒

大塚様
取り立てて「秘話」なるものは御座いませんが、懇意の業者は市場に小生向きの物が出品されていますと連絡をくれますので、市場の入札で直接買うというケースが多いですね。
後はひたすらコツコツです。それ以外は親しくお付き合いをさせて頂いていた作家に戴いた物も数冊あります。


ご質問投稿者:天女の舞い 投稿日:4月19日(金)23時22分48秒

雑誌の覧に搭載されました「象徴」につきおうかがいいたします。
まず、この雑誌はこの5冊で全部なのでございましょうか。次に、執筆者のその後の消息はしられているのでしょうか。
私は創刊号だけ所持しているのですが、黒石がらみで大変興味がございます。
その後活躍している人はいないようなのですが、もしやペンネームで投稿していたのではとも考えております。
いつも一方的なご依頼ばかりで恐縮でございますが、ご教示のほどお願い申し上げます。


丸木砂土投稿者:bori 投稿日:4月19日(金)23時51分40秒

何方か教えて下さい、ヤフーオークションに丸木砂土の「ベルリン女」というのが出品されております。
私は初めて見る本なので大変珍しいと感じてしまうのですが、経験の浅さがそうさせているかもしれないのです。
説明を見ますと戦後のものなのでそう珍しくもない様にも思えてしまいます。良くある物なのでしょうか?


「象徴」及び「ベルリン女」投稿者:管理人 投稿日:4月20日(土)00時51分19秒

天女の舞い様
『象徴』が何冊出ているかのご質問ですが、実証主義を貫いている小生は、他の号は未見ですのでお答えできません。
どなたか二巻二号以降をお持ちの方、こたえてくださいませんか?
執筆者のその後の消息についても何の材料も持ちません、重ねて悪しからず。
『創刊号』の挿み込みには「新妖怪派文芸雑誌」と大見得を切っておきながら二号からは表紙に「新浪漫派文芸雑誌」と変更。
定価も10銭が急に30銭になったり、そのいい加減さと内容の殊に文章は粗末ここに極まれりと言う体は前身の『鬱金帳』(これも定価がすぐに20銭から30銭に変わる)と同様です。
レベルの低い素人集団だろうかと容易に想像がつきます。後に文名を馳せる人物がいるとは到底思えません。

bori様
小生、丸木砂土は全然駄目なのでyamanaka様に是非、ご回答を戴きたいと存じます。


ベルリン女投稿者:yamanaka 投稿日:4月23日(火)05時17分44秒

yamanakaです。
管理人様にご指名いただきましたが、私のような者の不正確な情報ではお役に立てますかわかりません。
この本は去年だったか神保町で見かけました。
確か3500円という値で、仙花紙にしては高いかなと、特に何のこだわりもなくパスしてしまいました。
私も実際に見かけたのはそれきりですが、中身的には戦前のものの焼き直しではないか、と何の根拠もなく当て推量しております・・


ベルリン女投稿者:bori 投稿日:4月23日(火)12時33分49秒

yamanaka様
ご回答いただきまして有難う御座います。
質問を致しました後yamanaka様の丸木砂土にそれの書影が在りませんでしたので、もしやと思ったのですが、
見送りをなさったと伺いまして、其の冷静さを学びました。
私はすぐにカッとなり易いタイプらしく、それゆえの失敗は数限りなしです。


ベルリン女投稿者:bori 投稿日:4月24日(水)00時12分53秒

管理人様
yamanaka様の有益なアドバイスの御蔭で今回は傍観いたしました。因みに落札価格は2700円でした。今後とも宜しくお願い致します。


(無題)投稿者:yamanaka 投稿日:4月24日(水)01時42分00秒

管理人様bori様
最近砂土から少し遠ざかっておりましたので、もっと具体的な助言が出来ず、こちらこそ失礼しました。
bori様は砂土はかなりおあつめになられていらっしゃるのでしょうか。
こちらこそいろいろとご教示していただければと存じます。どうぞよろしくお願いします。


よろしくお願い致します。投稿者:bori 投稿日:4月24日(水)23時12分40秒

yamanaka様
私は何もかも初心者です。丸木砂土もほんの数冊を持っている程度です。
こちらにお邪魔致しました理由は、多少の本を集め、読みまして一応は物が判ったつもりで知ったかぶりをしておりましたが、
ここのHPを拝見いたしましたら、見たことも無い本だらけで広大な宇宙の星屑ほども知らない自分を知り、これはひとつ勉強させていただきたいと思ったからなのです。
そういう訳ですので皆様よろしくご指導ください。


『太陽を抱く女』投稿者:YT生 投稿日:4月26日(金)22時49分59秒

珍本に新たに加わりました『太陽を抱く女』の著者、守部市美の名はどこかで見たことがあるのですが、
どのような人物なのでしょうか?又この書に辻潤の序文とありますが、其の関係に就いても是非知りたく存じます
ご教示の程よろしくお願い致します。


守部市美投稿者:人魚の嘆き 投稿日:4月27日(土)00時00分25秒

人魚の嘆きです
YT生様
僭越ながらお答えいたします。
『太陽を抱く女』の著者、守部市美は一歳年上の神戸雄一と宮崎出身の詩人仲間であったことから神戸の依頼で太宰治、大鹿卓、古谷綱武、木山捷平等の「海豹」の編輯兼発行人をしている人物で「海豹」解散の後も神戸の「文陣」や古谷、檀の「鷭」をも印刷、発行しています。
辻潤は大正十二、三年頃の冬には毎年、宮崎のファンの元に避寒に来ていたので十八歳の少年、守部市美の序文依頼を快く引き受けたそうです。以上、参考になれば幸いです。


守部市美投稿者:管理人 投稿日:2月11日(月)12時31分38秒

YT生様、人魚の嘆き様
守部市美は古谷綱武の資金面での対応に怒り「鷭」三号の組み上げ校了になっていたものをめちゃくちゃに壊し、
以来、神戸雄一や太宰治等との交流は途絶えたと自ら語っております。


ベルリン女投稿者:サド公爵 投稿日:4月27日(土)21時49分24秒

yamanaka様
ベルリン女は戦前の焼き直しではありませんよ。本に「敗戦都市」とあることからも、それはあきらかなのですが・・・
なお、砂土の戦後の本では、このカバー付は少ないと思います。


(無題)投稿者:yamanaka 投稿日:4月27日(土)23時42分22秒

サド侯爵様
ご指摘及び情報をありがとうございます。
オークションの画像を見て、表紙におぼえがあったものですからお答えしましたが、全くデタラメな情報でした。
bori様申し訳ございません。また、ご指摘いただいたサド侯爵様に重ねて御礼申し上げます。
砂土に関してこれからもご教示いただければと存じます。どうそ宜しくお願い申し上げます。


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